レザークラフト研究

横浜で小さなレザークラフト教室をしています。

革を縫うミシンのお話 工業用ミシンの購入の検討の際に その4:ボビン、ボビンケース

この記事は、

 

 

 

の続きです。

この記事も、用具の仕様説明のコーナーではなく、自分が使ってみて思うこと、などのお話です。

 

 

【ボビンについて】

 

下糸を巻くための金具パーツに、「ボビン」という糸巻きがあります。

 

ボビンは、糸を巻く中央がくぼんでいて、その両側の側面の金属面に、穴が開いています。販売しているメーカーによって、この側面の金属に沢山の穴が開いていたり、1つまたは2つだけ穴が開いていたり、見た目は色々な種類がありますが、機能はどれも同じです。

どれを買ってもOKだと思いますが、工業用ミシンのボビンは、家庭用のボビンのようにプラスチック製のものは無く、金属製のものを使います。

ボビンは純正品を買うというよりは、汎用品を買うことが多いと思います。私の経験では、あまり安価なボビンは、ボビンケースを傷つける恐れもあるので使わない方が良い気がします。

 

恐らく工業用ミシンのみの場合になりますが、「倍釜」仕様といい、普通の長さより長く巻けるタイプのボビンがあります。ですので、倍釜用のボビンケースは、大きなボビンケースになります。

倍釜がある理由は、太い番手の糸はボビンに巻ける長さが短いため、すぐに下糸が無くなってしまうので、作業効率の点で作られたと思います。

倍釜のボビンとボビンケースは、初めて見ると少しびっくりする大きさです。

普通仕様のボビン 倍釜仕様のボビン

 

これだけ聞くと、長く巻ける倍釜は便利ですが、私にはちょっと手間がかかるときもあります。私の職業用ミシンは、工業用ミシンと同じボビン(普通釜)を使える機種です。ところが私の工業用ミシンのボビンは倍釜なので、せっかく工業用ボビンを使える機種だというのに、同じ糸でも職業用ミシンに兼用できません。

ひとくちに工業用のボビンを使う、といっても、普通釜と倍釜では大きさが違うため、それぞれに糸を巻かなければならない手間が発生する、という問題があります。

ミシン購入の検討の際は、そういった自分の全体的な作業効率なども考慮してみると良いかもしれません。

 

また、工業用ミシンのボビンの倍釜の仕様が欲しい場合は、ミシンの機種によっては倍釜仕様があるか、確認したほうが良いです。ミシン選びの際の、検討事項に入れても良いと思います。

 

 

ボビンに糸を巻く

 

ボビンの側面に穴が開いているのは、どれか1つの穴に糸先を内側から外側に出して、数回ボビンに糸を巻くためです。

ここはどのミシンのボビンでも手作業で行わないといけないですが、目が悪い私にはひと苦労の仕事です。私の場合は、外側に出した糸先を、数ミリ角の小さなマスキングテープでボビンの外側に仮で固定しています。これは糸を数回ボビンに巻いたら、下糸巻きに装着した後に取り去ります。「ビニモ」などのスルスルした糸は、すぐに穴から抜け落ちてしまうので、なかなか作業が進まなくて困ることがありますので、一時的に糸先を固定しておくと、イライラせずに済みます。

 

5番以上の太い糸は特に、すぐに下糸が無くなってしまうため、普通釜のボビンの場合は、2、3個余分に巻いておくと、たびたび巻かずに済んで便利です。

 

 

 

【ボビンケースについて】

 

ボビンを収納してミシンの針の下の位置に装着するものが「ボビンケース」です。

 

ボビンケースはあまり壊れることは無いと思います。それでも、壊れてしまったときは、ボビンケースはミシンの機種によって仕様が違うため、買うときは注意です。

 

 

ボビンケースに入れるボビンの向き

 

ボビンを入れる所(開いている所)を右側にして、左手でボビンケースを持ったとき、右手に持ったボビンから垂れている糸が、自分の身体と反対側(向こう側)になるような向きでボビンを入れます。

ボビンケースにボビンをセット

そのあと、ボビンケースの側面の隙間に、垂れている糸を挟み、小さな穴のようになっている所まで糸を引き寄せます。

糸が側面の隙間に入る時は、ボビンから垂れている糸が、いったん、ボビンに巻かれている方向と逆方向になって隙間に入る、という感じです。

普通釜でも倍釜でも、家庭用ミシン用でも職業用ミシンでも、ボビンケースの側面の穴に糸を通して出す方法は同じです。

 

 

ボビンケースをミシンに装着するときは

 

ボビンケースの爪を上げながら入れ、装着した時に上げている爪から指を離します。

装着後は、その爪は元どおり倒れた状態になっているはずです。

垂れている糸がどこにも引っかからずに素直に垂れている状態か、確認すると良いです。意外とここがトラブルの盲点だったりします。

ボビンケース ミシン装着時



下糸は、自動的にミシンの針板の上には出てこないので(笑)、上糸を手で持った状態で、手まわし作業で針を1度だけ送って上下させると、上糸が下糸をすくって針板の上に出してくれます。

ここも、家庭用ミシンや職業用ミシンの手順と同じです。

 

 

ボビンに巻いた下糸のテンション(張り)を設定する

 

これは一般的にボタンはダイヤルがあって数字を設定できるわけではないため、通常、感覚で設定するケースが殆どだと思います。

厳密に数値を知りたい場合、下糸用(ボビン用)のテンションゲージというものがあるようなのですが、私はその用具を使ったことはありません。

使わない理由は、ゲージに糸のテンションの数値が出ても、その数値が何を意味するのか(テンションが強いので弱めたほうが良いのか?または、その逆か?など)、指針が無いことです。

結局、テンションゲージを有効に使えるようになるまでには、表示された数値のときにテンションが強かったか、弱かったか、ちょうど良かったか、その経験値を蓄積して、答えを自分で見つけなければならない、ということです。

この発見作業をしてみたい場合は、テンションゲージを買えば、有効に使える日はいつかやって来るはずですが、糸の太さ、針の太さ、縫目の間隔、革の厚み、などなどが、毎回同じであれば統計は取りやすいですが、そうでない場合はちょっと大変です。

 

さて、手作業でテンションを設定する場合ですが、

ボビンケースから垂れた糸をだけを持って、ボビンケースをブラブラと持った時(ヨーヨーのようなイメージ)、すぐに床にボビンケースが落ちてしまう場合は、下糸のテンションが弱すぎると思います。ボビンケースの側面にある小さなネジを、工具で締めると、強めることができます。

丁度良いテンションの感じは、「ボビンが床に落ちない」または「すごくすごくゆっくりと落ちていく」くらいが良いと思います。

ただ、「床に落ちない」状態のときは、逆に、テンションが強すぎても落ちてこないため、必ず、「少し糸が落ちてくる程度」を確かめて、そこから、落ち具合を「かなりゆっくりめに設定する」のが良いと思います。

もちろん、最後は、実際に試し縫いをして、縫目を見て確認したほうが良いです。

これも、家庭用ミシンや職業用ミシンの手順と同じです。

 

 

縫った縫目の下糸側が絡まる

 

これ、本当に困ってしまいますよね。幾つかの理由が考えられると思います。

 

・そもそもの下糸のセッティングが間違っている。

・ボビンの糸が綺麗にまかれていなかったため、ボビンケースから流れるように出てこない。

・ボビンケースがミシンに装着された際、垂れている糸が通常のルートではなく、どこか途中に挟まってから出てきている。

・下糸のテンションが上糸とかなり合っていない。

などなど(上記は全部、私の失敗ケース)・・・( ´艸`)

 

返し縫いをする場合、縫い始めの位置だけ下糸が絡まる

 

裏側だけ絡まっているため、残念なことに縫い終わってから気付いたりします(-_-;)

 

そのときは、糸をどちらかの手で、ごく軽く自分の身体と反対方向へ引っ張りながら縫い始めると良いみたいです。どこかで教わりました。

 

これらの原因や対処法も、家庭用ミシンや職業用ミシンでもほぼ同じかと思います。

 

 

ここまで、ボビンとボビンケースについて、思うことを書いてみました。

 

続きはこちらです。 ↓

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革を縫うミシンのお話 工業用ミシンの購入の検討の際に その3:糸


この記事は、

の続きです。

この記事も、ミシンや糸の仕様説明のコーナーではなく、自分が使ってみて思うこと、などのお話です。

 

 

【ミシン糸について】

 

糸の番手

 

糸は、例えば、60番、50番、・・・5番、1番、・・・と、一般に、数字が小さくなるにつれて、糸が太くなります。

 

ミシンの場合は、普通地の厚さの布を縫う場合、60番、50番、40番くらい、

鞄の裏地で少し厚手の布を縫う場合、30番くらい、

革をミシンで縫う場合、厚さによって使い分けますが、30番より太い糸、といった感じでしょうか。

特に決まりは無いので、作品の感じ、縫う箇所、革の厚み、など、様々な条件で、自分で選んでいきます。

 

1番手の糸は、使える工業用ミシンがそう多くは無かったと思いますので、使いたい場合、工業用ミシンの購入前に、事前に確認しておくことをおすすめします。

 

私のレザークラフト教室にあるミシン糸は、布用に60、50、30、革用に20、8、5番です。ミシンを使うときは、内縫いの作品のほうが多いので、革には20番、8番くらいを一番使うかもしれません。

ヌメ革にしっかり糸を目立させて縫いたい場合は、5番以上になるのかな?

5番でも、かなり太いです。1番、0番、00番と、段々タコ糸に近づいていく感じを想像していただければ、おわかりかと思います。

ビニモ 5番手の糸



ミシンの縫目のピッチ

 

縫目のピッチは、もう好みの問題なのですが、革をミシンで縫う場合、縫目のピッチは4ミリ以上くらいに設定しておくのが良いかもしれません。そもそも革は布地のように薄くないため、あまり細かいピッチにはしないことが多いと思います。

革の質感や厚みで、綺麗に見えるピッチの間隔があると思うので、実際に試し縫いをしてみて、合わせていくようになります。

内縫いや、縫い割りの場合、あまり縫目のピッチが大きいと、表からみたときに縫目と縫目の間がスカスカな感じになりますので、そういう場合は、少しピッチを短めにして縫うと良いと思います。

縫目の調整ダイヤル

 

糸締まり

 

ミシン関連の言葉で、糸締まりという言葉を聞いたことがあるかもしれません。

文字どおり、糸の張り(テンション)の具合のことです。

革を縫うための工業用ミシンを一度でも使ったことがあれば、はじめに糸立て棒から針穴まで糸を通して準備していると、「糸調子ダイヤル(糸をクルッと挟む所)」の所で、家庭用ミシンとは段違いの、とても強い圧がかかっていることに気が付くかもしれません。

糸調整ダイヤル

革の厚みなどで糸調子を決めますが、ちょうど良いと、糸の張りが強すぎず弱すぎず、縫目が綺麗になります。

革を縫うのに開発されたという糸「ビニモ」はポリエステルの糸ですが、使ったことがある人ならわかると思いますが、誤って糸巻きを床に落としたりすると、どこまでも糸がバラバラとほぐれてしまって、巻き直すのが大変だったりするぐらい、とてもスルスルしています。よく手芸屋さんに売っている、布用のポリエステルのミシン糸とは全然違う、殆ど引っ掛かりがない、というのが特徴の糸です。

 

このスルスルの糸にしっかりと縫目を作ってもらうためには、「糸調子ダイヤル」の所で、ギュッっと糸が引っ張られて一定の強さを保ち、それから天秤を通って、さらに針穴へ落ちてきてくれなければなりません。

この上糸の状態と、下糸の圧とのバランスが良いと、糸締まりの良い状態、すなわち、綺麗な縫目になります。

 

作品の革の大きさに余裕がある場合は、試し縫い用に革を用意できますが、そんなに余っていない場合、殆どぶっつけ本番になってしまうことがあります。ミシン縫いで作品を作る場合は、少しだけ余分を考えて革を買うと、試し縫いも安心してできると思います。

 

私の場合は、工場のように何百個も同じものを作るわけではなく、ミシンに座るたびに違う作品を縫うことが殆どなので、そのたびに糸調子を整えなければならないのが、結構ストレスではあります( ´∀` )

手縫いの場合は糸に蝋を塗ることによって、糸どうしがペタッとくっついて、糸を引き締めたとき、しっかり締まります。つまり、蝋によって糸調子を行える、と思います。しかし、ミシンの場合、まず試し縫いをして、自分で糸調子が良いか判断しなければなりません。また、糸調子ダイヤルの数値の基準は、そもそも何を縫うときはいくつ、とか決まっているわけではないので、ミシンの使いはじめはなかなか苦労します。

 

 

ミシン糸の素材

 

ミシン糸はポリエステル糸が多く売られていますが、ミシン用の麻糸もあります。種類は限られていたと思いますが、やっぱり風合いが違うので、使ってみると面白いです。

 

 

手縫用の糸、ミシン用の糸、とは?

 

糸は数本の糸をねじって撚ってありますが、

基本的には、糸の撚りの方向が、手縫い用とミシン用とでは違っています。

 

手縫糸は右撚り(S撚り)

ミシン糸は左撚り(Z撚り)

 

と、撚りの方向が真逆になっているそうです(ルーペで拡大したらわかる?!)

そのため、ミシン糸で手縫いをすると、縫えることは縫えますが、(理論上は)撚りが戻ってほぐれていってしまいます。糸が撚られていない弱い状態になり、糸切れ、絡まりを起こしたりします。きちんと撚られていない状態では、糸の太さが平均していないので、綺麗な縫目になりません。

ですので、できるだけ手縫いには手縫糸を使ったほうが、仕上がりは綺麗になります。

使いたい色がミシン糸ならあるのに・・・そういう場合は、短い距離を縫うのにとどめておくと良いかもしれません(長い距離になればなるほど、手縫糸であっても、だんだんとクルクルと絡んでくるので)。

 

 

ミシン糸のブランド

 

まあ、ここの項は、どうでもよいような内容です。

 

レザークラフトでよく聞く糸のブランドは、ポリエステル糸の「ビニモ」でしょうか。皮革専用で開発されたそうです。光沢感、変質しにくい、強い、色が豊富、そんな点が人気の秘密かも知れません。

ビニモは手縫い用、ミシン用と両方あります。00番(かなり太い)まであるようです。

さらに「ボンド仕様」という種類もあり、「ビニモMBT」がボンド糸です。中心が接着加工されていて、撚り割れがしないそうです。確か通常タイプより少し値段が高いですね。私は今まで使っていて、特に撚り割れに関してトラブルが起きたことは無いので、通常タイプの糸で充分かな、と思っています。

 

 

ここまで、革を縫うミシンで良く使う種類の糸についてのみ、書いてみました。

 

続きはこちらです。 ↓

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ミシン針 日本製と海外製 番手対応表

覚書です。

※対応糸はおおよその番手です。

 

(オルガン)

9 10 11 12 13 14 16 18 19 20 21 22 23 24 25 26

(海外)

65 70 75 80 85 90 100 110 120 125 130 140 160 180 200 230

ポリエステルフィラメント糸

(ビニモ)

60 30                
          20            
                8      
                    5    
                        1  
                          0  
                            00  

 

iPhoneの連絡先にフリガナが登録できない

今日あったできごと。忘れないよう覚書としてメモ。

 

【テーマ】

iPhoneの連絡先にフリガナが登録できない(何度入力しても消える)

 

【動作環境】

iPhone iOS 16

 

【現象】

iPhone上の「連絡先」アプリで、連絡先(登録している相手)の「姓(フリガナ)、名(フリガナ)」欄にフリガナを何度入力しても反映されない。

 

【ポイント】

Googleの連絡先を使っている(iCloudと同期しているかは問わず)

 

【対処】

Googleの「連絡先」からフリガナを登録する。

 

【対処方法】

1.Googleの「連絡先」を使用している自分のGoogleアカウントにログイン。

 

2.Googleの「連絡先」を開く(パソコンでも可)。

 

3.「編集」→「よみがな(姓)、よみがな(名)」にフリガナを入力し、「保存」。

 ※カタカナ入力OK。

 ※初期表示で上記の欄が表示されていない場合:

  「もっと見る」→入力可能な欄を全て表示する。

 

4.iPhoneの「連絡先」で変更が反映されているか確認。

 ※同期は即反映する。

 

スマホで「Googleの連絡先」を表示するには】

 

1.ブラウザ(Google Chromeでなくても良い)を起動。

 

2. ”Google.com”(Googleの検索用初期ページ)にアクセス。

 ★この時点でページの右上に「アプリ一覧(点が9つのマーク)」が出ていない場合:

 検索ワード入力欄に何か文言を入力。

 →検索結果画面にアプリ一覧マークが出ているか確認。

 ★さらにこの時点でページの右上にアプリ一覧(点が9つのアイコン)が出ていない場合:

 ページ左上のメニューのマーク(三)。

 →「ホーム」。

 →表示された画面にアプリ一覧マークが出ているか確認。

 

3.「アプリ一覧(点が9つのマーク)」→「連絡先」。

 

スマホで「Google連絡先」を編集するには】

 

1. フリガナを入力したい連絡先を選択。

2. 「鉛筆のマーク」。

3. 「よみがな(姓)」「よみがな(名)」にフリガナを入力。

4. 「保存」(これ忘れずに!)。

5. 左上の「←」で一覧へ戻る。

6. 別の連絡先を編集するには、手順1から繰り返す。

 

革を縫うミシンのお話 工業用ミシン購入の検討の際に その2:針

革を縫うミシンのお話

工業用ミシン購入の検討の際に

その2:針

 

この記事は、

の続きです。

 

 

ミシン本体以外のパーツや用具について、仕様説明のコーナーではなく、自分が使ってみて思うことなどを書いていきます。

今回の記事は、『革を縫うミシンに使う針』についてです。

 

 

【ミシン針について】

ミシン針の有名どころのメーカーと言えば、オルガンですね。

他に、シュメッツ、グロッツ、なども聞いたことがあるのではないかと思います。

オルガン 工業用ミシン針の例



ミシン針の種類(太さ)は、数字が大きくなるほど、太くなります。

世の中には色々な種類のミシンがあるので、ミシン針の番手(太さ)も、針の種類も、結構たくさんあります。

 

 

(革が縫える)家庭用ミシン:

「家庭用ミシン用のレザー専用針」を使うことになります。

 

レザー針だと11、14、16番があるようですが、革を縫う場合、ほとんど16番あたりしか使わないと思います。

針先がナイフのようにとがっていて、革に切り込みやすくなっています。

 

ミシン針には、糸を通す所のあたりに「えぐり」があるのですが、家庭用ミシンにミシン針を付ける際の針の「えぐり」の方向は、針を挿す所の形に合わせて挿すので、間違いなく付けられると思います。

 

 

(革が縫える)職業用ミシン:

家庭用ミシン針を使う機種の場合、「家庭用ミシン用のレザー専用針」。

工業用ミシン針を使う機種の場合、「工業用ミシン用の針(後述)」。

 

いずれも、ミシンの機種にもよると思いますが、使用できるのは太くても19番位までではないかと思います。ですので、革が縫えるミシンであっても、あまりにも厚い革を縫おうとすれば針が折れてしまう、ということは発生すると思います。

 

ミシン針の付け方は、「えぐり」の方向を自分できちんと定めて付ける必要があります。

 

 

(革が縫える)工業用ミシン:

使用できる番手の範囲は、16~24番くらい(革を縫う際は殆ど19番以上)。

 

工業用ミシン針は、とても沢山の種類があります。

ミシンの機種によって、使用できる針の番手の範囲が異なります。

また、DP針、DB針、など種類がある(針の長さが微妙に違います)ので、自分のミシンの機種用の針を買ってください。

 

機種にもよると思いますが、細いほうが16番位を使える場合は、コットン系のしっかりめの布であれば、縫糸もある程度太い糸(30番手の糸とか)を使うことになるので、鞄の内布なども縫えると思います。

 

「革用の」工業用ミシンでは、機種によるとは思いますが、恐らく11番、14番あたりの針(普通地の厚さの布を縫う番手)は使えないと思いますので、鞄の内布などに、薄めのナイロンや薄めのシャンタンなどの布を使いたい場合は、家庭用ミシンか職業用ミシンで縫うことになります。もちろん物理的には太い針でも縫えますが、縫目のまわりに余分な針穴が開いてしまい、ちょっと目立ってしまいます。

 

 

「革を縫う」工業用のミシン針では、

 

見た目でいうと、大きく2つに分かれます。

・菱目打ちで穴開けして手縫いするのと同じように、縫目が斜めに出るもの

・縫目が真っすぐに出るもの

仕上げのしかたによって、使い分けます。

例えば、革の吟面(表側)を縫う場合は、どちらでも好きなほうで良いと思いますが、

「縫い割り」や「内縫い(鞄やポーチなどの袋状のものを内側で縫って、ひっくり返す作り方)」の袋物を縫う場合に、わざわざ縫目が斜めになる針を使う必要は無いと思います。

 

針先の形状でいうと、沢山の形状がありますが、大きく分けて、

・縫う対象物を切って縫うタイプ(ナイフ針)→革を縫う際に使用。

・縫う対象物を切らないで縫うタイプ    →布、革を縫う際に使用。

それぞれのタイプで、先の形状は、菱形、丸い形など、色々あります。

頭が混乱しそうですね。。。

 

革の作品を作る場合、どちらの針先の形状の針も必要になってきます。

革を縫う場合ならすべて縫目が菱目に出るナイフ針、というわけでも無いのです。

 

革の袋物(鞄やポーチなど)を縫う場合は、革を中表に合わせて縫ってから表にひっくり返す、ということが多いですよね。そういう場合、菱形のナイフ針で縫ってしまうと、表にひっくり返した時、縫目の脇にプツプツと切り込みが入ったような状態になってしまい、見た目が綺麗にならないため、先の形状ができるだけ小さく丸い形のナイフ針を使います。

 

また、鞄の内布を縫う場合は必ず、布地を切らない、いわゆる普通の針(=ナイフ針以外の針)、を使います。ナイフ針を使ってしまうと布地が切れて、見た目が綺麗ではないのに加え、縫目がほつれてきて、耐久性に問題が生じてきます。

 

用途で分けると、目飛び防止、粘着防止、地糸切れ防止、太穴用、などなど、様々なものが販売されています。

糊で接着することが多いレザークラフトでは、粘着防止針は持っていて損は無いと思います。

 

材質で分けると、一般的な針以外に、チタン(コーティング)針というのもあって、針折れ対策だと思います。

厚い革を縫う際に何度も針が折れてしまう場合は、必要になってくるかもしれません。

 

 

 

余談です

家庭用ミシンや職業用ミシンには、薄物用針板、薄物用押え、というものが販売されている機種があります。付け替えることができるミシンであれば、マスクなどを作るためのガーゼなど、とても薄い布を縫うこともできます。

これは、革用の工業用ミシンではできないことなので(アパレル用ではない機種なので)、サブのミシンとして家庭用ミシンや職業用ミシンも買おうと考えている場合は、普段、他に何が縫いたいか、ということも視野に入れて選ぶと、応用の幅が広がって使い勝手が良いと思います。

 

 

 

以前に、ミシン針の選び方がわからなくて、色々と調べていたことがあったのですが、

ミシン針って、とっても沢山の種類があるようなんですね。

全然知らなかった情報もあって、恥ずかしくなったくらいです( ´∀` )

 

続きはこちらです。 ↓

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革を縫うミシンのお話 工業用ミシン購入の検討の際に その1

革を縫うミシンのお話

工業用ミシン購入の検討の際に

その1

 

この記事は「このミシンはこんなことができますよ」という仕様の説明コーナーではなく、革のミシンを買おうかな?と検討中の方へ、自分がミシンを使っているときに感じてきたことを書いてみます。

 

私は家庭用ミシン、職業用ミシン、工業用ミシン2台、を持っています。

どれも、革が縫える機種です。

工業用ミシンについては、以前は総合送りミシンを使っていましたが、現在は、上下送りミシンを使っています。

 

とはいえ、「総合送りミシンってなに?」という方も居ると思うので、少し基本的な説明は入れたいと思います。

 

 

【革用ミシン それぞれ】

 

●工業用ミシン

 

殆どの場合、直線しか縫えません。

縫目の綺麗さは、家庭用ミシンでの縫目と比べると、やはり違いが分かってしまいます。最も綺麗ではないかと思います。

 

工業用ミシン → 職業用ミシン → 家庭用ミシン

この順番で、「送りのパワー」、「縫目の美しさ」は、だいたい比例して減少していきます。

 

これだけ聞くと、工業用ミシンを使ったほうが良いように思えますが、実際、工業用ミシンを買うとなると、ミシンテーブルの上に載っているアタマ部分だけで30キロ以上の重さがあり、テーブルも最低で幅70センチ・奥行60センチくらい以上は必要になります。値段はピンキリですが、ミシンを買う値段というよりは、ひとつの設備機器を買うような値段の感覚に近くなります。

それに、置く場所があっても、2階以上に運ぶ場合は2人以上のミシン屋さんに運んでもらって、設置してもらって、調整してもらって、などの事情も付加されてきます。

これを趣味の範囲で用具の一つとして買うのはかなりハードルが高いです。

 

「工業用ミシン」とひとくくりに言っても、

まずは、アパレル(衣服)用、ノンアパレル(衣服以外)用、などのカテゴリ分けもできます。

ノンアパレル系で革を縫えるミシンにおいては、主に靴を縫うためのミシン、主に鞄や服飾雑貨を縫うためのミシン、などなど、日本で「八方ミシン」「腕ミシン」などの呼ばれかたをするようなカテゴリ分けもできます。

『送り』のしかたにおいては、「総合送り」「上下送り」「針送り」・・・などのカテゴリ分けもできます。

上下送り(平)ミシンの例

 

ボビンに巻ける下糸の長さによっては、標準釜か、倍釜か、といったカテゴリ分けをすることもできます、

 

何を基準としたカテゴリ分けにするか、その軸となる要素によって、ピボットテーブルのような感じで、色々なカテゴリに属するミシンが出てくる、ということになります。

 

<工業用ミシンの検討ポイント>

・送りのパワーが最も強い総合送りが良いか?上下送りが良いか?

・下糸の長さを長く巻ける倍釜仕様が良いか?標準釜で充分か?

・一般的なミシン(平ミシン)が良いか?小回りが利く腕ミシンが良いか?

 

 

●職業用ミシン

 

多くの場合、直線しか縫えません。

 

当然ミシンのメーカーや機種によりますが、家庭用ミシンとほぼ同じ価格帯のミシンも多く、置き場所もそれほど取りませんし、家庭用ミシンより少し重いくらいで自分で持ち運んで容易に使用場所を移動できるミシンも多いです。

 

では、直線しか縫えないし、家庭用ミシンと見た目もさほど変わらない職業用ミシン、なぜ存在するのでしょうか?

家庭用ミシンのパワーでは送りが物足りない、縫目が綺麗に出ない、などの不満がある場合に職業用ミシンを買う、というケースが殆どでしょう。

一般家庭で工業用ミシンを買うケースは稀なので、こういった選択肢になるのだと思います。

 

ですので、そもそも工業用ミシンを買おうか悩んでいるような人にとっては、最も中途半端な立ち位置のミシンとも言えます。

 

でも、メリットが無いわけではありません。

それは、工業用ミシン(工業1本針本縫いミシンのものを使用。総合送り・上下送りミシンの押えなどを除く)の押えを使えるので、種類が豊富にある点です。

有名な会社・ブランドでは、ニッポー、スイセイなど、一冊の本でカタログが出ているくらい、種類が沢山あります。カタログは誰でもサイトから取り寄せできます。

 

押えの種類が豊富だとなぜ良いのでしょうか?

例えば、端から3ミリで縫いたい場合、右爪付3ミリ、といった押えを付けて縫うと、手を添えているだけで、ズレる心配もなく、ずーっと端から3ミリで縫ってくれます。

それはすなわち、縫う対象物に、予め端から3ミリに線や印を付けておいたりする必要が無いのです。

このように、職業用ミシンの押えをうまく使うと、とても早く作業を進められます。

押え1個の価格も、そう高くはないです。

沢山揃えれば確かにコストはかかりますが・・・( ´∀` )

押えの付け替えも、ネジを締める手間はありますが、さほど時間がかかるというほどでもありません。

 

というわけで、1台持っていると、なかなか使える機会も多いです。

 

 

ちょっと工業用ミシンの話になりますが、

革を縫うのによく使われる上下送りミシンや総合送りミシンにも、もちろん押えの既製品はあるのですが、カタログ1枚で収まるくらいの種類しかないことが多いです。

 

工業用ミシンのうち、押えが1つだけのミシンの場合は、単純に使いたい押えに付け替えるだけですが、上下送りミシンや総合送りミシンは、外押えと中押えの2つの押え金を組み合わせて付ける必要があります。この組み合わせを考えていくと、膨大な数の押えを作らなければならないと思いますので、そもそもあまり種類が出回っていないのかな?と思います。

 

革を縫えるミシン=革をスムーズに送れるミシンだと言えると思います。革を縫うのによく使われる上下送りミシンや総合送りミシンは、2つの押えの動き(人が歩く時の脚の動きと似ていて、交互に革を上から押さえながら動いて送る)と、下側にある送り歯とが、うまく連動して革を送るため(総合送りミシンは、2つの押えと送り歯に加えて、針の動きも送りを助けている)、押えも2つ必要、と思っていれば良いと思います。

ですので、逆に言うと、同じ工業用ミシンであっても、1つの押えだけを付けるミシンでは、送りの動作を送り歯だけに頼ることになり(家庭用ミシンや職業用ミシンと同じ仕組み)、スムーズに革を送れない、ということが発生すると思います。

 

上下送りミシンや総合送りミシンの押えを買うときに気を付けたいのが、新たに中押えだけ買って付けてみたら、それに組み合わせられる外押えが無く、新しい外押えも追加で買うことになった、なんてことがあることです。使いたい中押えを決めたら、その中押えの幅によって、外側に付けられる外押えの種類が決まってきてしまうためです。

 

また、既製品以外の押えが欲しい場合は、ミシン屋さんでミシンパーツを作っている会社に、オーダーして作ってもらうしか方法がありません。価格もかなり高くなります。

 

 

 

●家庭用ミシン

 

直線縫いはもちろんですが、ジグザグ縫いで布のかがり縫いができることが大きなメリットだと思います。

他に、押えを変えれば、ボタン付け、ボタンホール作り、ギャザー寄せ、裾上げ時のくけ縫いなどもできるので、洋服などに活用できます。

 

下糸は、水平釜タイプと、垂直釜タイプがあり、それぞれによって針落ちの位置がわずかに違うようです。

ですので、押えは、メーカー純正を使うのが基本ですが、純正品でも汎用品でも、機種によっては使えないことがあるため、注意が必要です。

 

現在まだミシンを持っていなくて、これから革用のミシンの購入したい場合でも、ぜひまずは1台は持っておきたい種類です。

鞄の内布の縫代のほつれ止め処理は、やはりジグザグ縫いで行うほうが早いし綺麗です。

ほつれ止めを接着剤で行う方法もありますが、「ホツレーヌ」などを塗るのも、意外と時間がかかりますし、なにより、糊を塗るわけですから、糊が布に染み出して、仕上がりが綺麗ではありません。

 

 

それぞれを使ってみて

 

では、趣味でレザークラフトをする、という使用頻度の場合、どのミシンが良いでしょうか?

 

職業用ミシンにする?

 

この記事では、そもそも工業用ミシンを買おうか検討している人に向けて書いているので、職業用ミシンを選択肢に入れていないかもしれませんが・・・。

 

縫目に関しては満点にはなりにくいですが、糸調整をきちんと行えば、職業用ミシンでも、ある程度、綺麗に縫えます。

かなりの厚さまで縫えるモーターパワーの強い機種がありますので、パワーのある機種選びがポイントになってくると思います。

 

厚手のヌメ革を貼り合せた小物などを作りたい場合は、工業用ミシンでないと、針が折れたり、送りのパワーが弱くてミシンが進まないことが発生します。

 

自分がどんな物を縫いたいのか?

縫う革の厚みと、ミシンのパワーのバランスが、検討の鍵です。

 

また、家庭用ミシンの項で書いたとおり、殆ど機種ではジグザグ縫いなどができないので、「布を併用した革の作品を作りたい場合」は、結局、家庭用ミシンも必要かな?と思います。

 

 

やっぱり工業用ミシンにする?

 

例えば、すでに職業用ミシンを持っていて、よく針が折れる、なかなか革が送れず、進まないので同じ所に何度も針が落ちたり、短いピッチで縫うはめになってしまう。

そんな経験をすると、「やっぱり工業用ミシン買おうかな~?」っとなってきます。

ここは、買うかどうかのターニングポイントなのですが、実際に買うかどうかは、前述した様々な理由(重さ、置き場所、予算など)があるので、人それぞれです。

 

さて、

工業用ミシンの送りの種類のうち、「総合送りミシン」は、送る力が最もあると思えば良いですが、革であれば「上下送りミシン」で充分かと思います。かなり分厚い革でもきちんと送ってくれて、縫えます。

体感的には、例えば分厚い車の内装シートを縫うとか、かなり大きなパワーが必要な場合は、恐らく上下送りミシンでは縫う対象物が送れないと思うので、そういう用途には総合送りミシンが適していると思います。

 

総合送り、上下送りのメカニズムは検索などで調べればわかることなので、ここには書きませんが、ミシンの画像を調べてみると良いです。

すると、それぞれの「押え」のタイプが全く違うことに気づくかもしれません。

 

押えなどのアタッチメントなどについては、後日、パート2として日記に書いてみたいと思います。

 

続きはこちらです。 ↓

leatherworksthalia.hatenablog.com

リキテックスのバーニッシュの種類と使い方

普段、リキテックスのアクリル絵具を使っています。

この記事は、備忘録として、絵具についてではなく、

バーニッシュという仕上剤について端的に記したものです。

 

*あくまでもリキテックスのバーニッシュの種類についてですので、他ブランドの場合、同じ目的のものでも、使い方・名称・効果が異なる場合があります。

 

 

【バーニッシュを塗る目的】


作品の保護。作品を劣化防止。

 

 

【バーニッシュの特徴】


液体タイプは筆を使えるため細かい部分が塗りやすく、重ね塗りしやすい。

バーニッシュを塗ると作品の表面が均一に反射し、統一感がでる。

 

 

リキテックスのバーニッシュの種類】

 

リキテックスのバーニッシュは混ぜ合わせて好みのつやに調整可能。

リキテックスのバーニッシュはすべて、屋内・屋外どちらの作品にも使用可能。

壁画などの場合は垂直方向に塗布。

 

 

<パーマネントマットバーニッシュ>

 

水性保護ニス。

アクリル樹脂100%。

つや消しのマット剤を加えた透明のアクリル膜。

塗りやすい液状で薄めずそのまま使える。

硬い・柔らかい表面どちらへも使える。

木材、布、プラスチック、粘土など様々な素材に使えるので、プラモデルの塗装など、細かい部分にも使える。

たつきが少ない。

通気性がよい。

褪色に強い。

紫外線ダメージをブロックする。

屋外でも屋内でも使える。

パーマネントマットバーニッシュ

 

<サテンバーニッシュ>

 

水性保護ニス。

アクリル樹脂100%。

サテン調(半光沢)の透明アクリル膜。

グロスバーニッシュとマットバーニッシュの中間の程よい光沢で落ち着いた仕上り。

ベタつきが少ない。

通気性がよい。

褪色に強い。

紫外線ダメージをブロックする。

光が反射しにくいので、作品をが綺麗に撮れる。

 

サテンバーニッシュ

 

グロスバーニッシュ>

 

水性保護ニス。

アクリル樹脂100%。

光沢のある透明のアクリル膜。

しっかりした光沢。

みずみずしい画になる。

膜の厚さにより作品の明度・見え方が変わり、重厚感が増す。

通気性がよい。

褪色に強い。

紫外線ダメージをブロックする。

 

グロスバーニッシュ

 

<ハイグロスバーニッシュ>

 

グロスバーニッシュよりもさらに強い光沢。しっかりツヤをつけたい場合に使う。
表面に輝きが増し、作品の雰囲気も変わるため、使用する色・メディウムによっては注意。

ハイグロスバーニッシュ

 

<その他>

 

スプレータイプのバーニッシュもある。

 

 

リキテックスのバーニッシュの塗り方】

 

液体タイプのバーニッシュは、筆、エアブラシ、スポンジで塗布できる。

塗る際に液に気泡ができやすい道具は避ける。

 

 

●均一に丁寧に塗る

液垂れ、ムラ、気泡に注意。ツヤありバーニッシュは特に目立つ。

大きめの筆で一気に塗る。

なるべく大きめの筆や刷毛に沢山のバーニッシュを付け、一気に塗り広げる。
塗った境界線を作らないように塗る。

 

●重ね塗りする場合

必ず1回目に塗ったあと、3時間以上乾かしてから重ね塗りする。

2度目は最初の塗り方向と垂直に塗るとムラが目立たない。

 

パーマネントマットバーニッシュ/サテンバーニッシュの場合:

1~2回薄く塗布する。

それ以上厚くすると、乾いた時に曇りが生じることがある。

3回以上塗布したい場合は、まずグロスバーニッシュを好みの厚みに塗布してから、パーマネントマットバーニッシュ、または、サテンバーニッシュを仕上げのコートとして塗布する。

 

 

リキテックスのバーニッシュを塗る際の注意】

 

作品の表面が十分乾いていることを確認する(絵具の厚みによって72時間~2週間)。

作業場所は十分な換気を行い、作品を埃や塵のない状態にする。

使用前に必ずやさしくかき混ぜ、沈殿した成分を混ぜ合わせる。

保護ニスのため、絵具と混ぜない。

バーニッシュは完全乾燥まで基本的には72時間。塗った後はすぐに動かしたり触ったりしない。

塗り方や選び方で作品の仕上がりが大きく変わる。金・銀のカラーのアクリル絵具、ビーズ系など輝きのあるメディウムを使っている場合は、バーニッシュによって色の見え方が変わることがあるので注意。

筆やパレットに付いたバーニッシュははすぐに水で洗い落とす。乾くと耐水性になって水で落ちなくなる。

 

 

【バーニッシュを剥がすことについて】

 

上記の種類のバーニッシュは、いずれも100%アクリルポリマー、水性で、恒久タイプで、一度塗ったら剥がせない。

 

剥がせるバーニッシュは、溶剤系の除去可能なバーニッシュで、下記の種類。

使い方は、恒久タイプのバーニッシュを塗った上に、一番上の層に剥がせる種類のバーニッシュを塗り、それだけを剥がして塗りなおすことによって、ホコリや汚れを除去する。

剥がすには、ソリューバシンナーを使う。

濡れた状態では半透明だが、乾くと透明になる。

表面を均一に整える。

耐久性に優れ、黄変を防ぐ。

柔軟性がある(気温や湿度の変化に応じて表面が伸縮するためひび割れが起きにくくなる)。

屋外でも屋内でも使える。

 

リキテックスの剥がせるバーニッシュの塗り方】

 

アクリル画であれば、絵具を完全に乾かしてから(絵具の厚みによって72時間~2週間)、バーニッシュを塗る。

 

まず、恒久タイプのバーニッシュを塗る

まず、恒久的な保護層として、恒久タイプの水性バーニッシュを1~2回全体に塗布する。
1層塗布したら1~3時間待ち、最後の層が終わったら3日間乾かす。

 

次に、剥がせるタイプのバーニッシュを塗る

ソリューバ―マットバーニッシュ、または、ソリューバー・グロスバーニッシュを、使用前に、気泡ができないように注意しながらやさしくかきまぜる。スプレータイプはしっかり振る。

液体タイプは、最大25%のソリューバーシンナーで薄めることができる。

ミネラルスピリットを使用する場合は無臭タイプではなく、「正統派」のミネラルスピリットを使用する。

薄めたバーニッシュは気泡ができやすくなるので、塗布する際は慎重に作業する。

毛先が柔らかい幅広の平筆、刷毛、コテバケ、スプレーを使って1~2回塗布する。

ブラシまたはスプレーは、表面の上から下までを覆うように、1回に長く、均一に一方向に動かす。

作業中は、気泡ができていないか全角度から塗布層を確認する。

気泡がある場合は、すぐに均一に整える。

1層塗布するたびに、24時間待つ。

 

 

リキテックスの剥がせるバーニッシュを塗る際の注意】

 

1つの作業箇所から次の箇所に移ったら、元の箇所は触らない(乾いた樹脂が濡れることによって部分的に垂れが生じる恐れがあるため。暗い色が乾いた時に曇る可能性がある。)

塗り残しがあった場合は、完全に乾かしてから塗り直す。

 

 

リキテックスの剥がせるバーニッシュの種類】

 

<ソリューバ―マットバーニッシュ>

UVカット効果により、太陽光による変質・変色から作品を守る。

ソリューバ―マットバーニッシュ

 

<ソリューバー グロス バーニッシュ>

 

UVカット効果により、太陽光による変質・変色から作品を守る。

 

ソリューバ―グロスバーニッシュ

 

リキテックスのバーニッシュを剥がすための薬剤】

 

<ソリューバシンナー>

 

ソリューバー・バーニッシュを塗った面を汚れといっしょに落すことができる。

バーニッシュを塗るために使った筆・刷毛もこれで洗う。

ソリューバー・バーニッシュの濃度を薄める専用液としても使う。

 

ソリューバ―シンナー

 

リキテックスのバーニッシュの剥がし方】

 

ソリューバー・グロスバーニッシュの層をはがしたい場合は、ソリューバーシンナーまたはミネラルスピリットを含ませた毛羽立ちのない布で、汚れやバーニッシュの表面をやさしく取り除く。

完全に乾かしてから、再びバーニッシュを施す。