レザークラフト研究

横浜で小さなレザークラフト教室をしています。

リキテックスのバーニッシュの種類と使い方

普段、リキテックスのアクリル絵具を使っています。

この記事は、備忘録として、絵具についてではなく、

バーニッシュという仕上剤について端的に記したものです。

 

*あくまでもリキテックスのバーニッシュの種類についてですので、他ブランドの場合、同じ目的のものでも、使い方・名称・効果が異なる場合があります。

 

 

【バーニッシュを塗る目的】


作品の保護。作品を劣化防止。

 

 

【バーニッシュの特徴】


液体タイプは筆を使えるため細かい部分が塗りやすく、重ね塗りしやすい。

バーニッシュを塗ると作品の表面が均一に反射し、統一感がでる。

 

 

リキテックスのバーニッシュの種類】

 

リキテックスのバーニッシュは混ぜ合わせて好みのつやに調整可能。

リキテックスのバーニッシュはすべて、屋内・屋外どちらの作品にも使用可能。

壁画などの場合は垂直方向に塗布。

 

 

<パーマネントマットバーニッシュ>

 

水性保護ニス。

アクリル樹脂100%。

つや消しのマット剤を加えた透明のアクリル膜。

塗りやすい液状で薄めずそのまま使える。

硬い・柔らかい表面どちらへも使える。

木材、布、プラスチック、粘土など様々な素材に使えるので、プラモデルの塗装など、細かい部分にも使える。

たつきが少ない。

通気性がよい。

褪色に強い。

紫外線ダメージをブロックする。

屋外でも屋内でも使える。

パーマネントマットバーニッシュ

 

<サテンバーニッシュ>

 

水性保護ニス。

アクリル樹脂100%。

サテン調(半光沢)の透明アクリル膜。

グロスバーニッシュとマットバーニッシュの中間の程よい光沢で落ち着いた仕上り。

ベタつきが少ない。

通気性がよい。

褪色に強い。

紫外線ダメージをブロックする。

光が反射しにくいので、作品をが綺麗に撮れる。

 

サテンバーニッシュ

 

グロスバーニッシュ>

 

水性保護ニス。

アクリル樹脂100%。

光沢のある透明のアクリル膜。

しっかりした光沢。

みずみずしい画になる。

膜の厚さにより作品の明度・見え方が変わり、重厚感が増す。

通気性がよい。

褪色に強い。

紫外線ダメージをブロックする。

 

グロスバーニッシュ

 

<ハイグロスバーニッシュ>

 

グロスバーニッシュよりもさらに強い光沢。しっかりツヤをつけたい場合に使う。
表面に輝きが増し、作品の雰囲気も変わるため、使用する色・メディウムによっては注意。

ハイグロスバーニッシュ

 

<その他>

 

スプレータイプのバーニッシュもある。

 

 

リキテックスのバーニッシュの塗り方】

 

液体タイプのバーニッシュは、筆、エアブラシ、スポンジで塗布できる。

塗る際に液に気泡ができやすい道具は避ける。

 

 

●均一に丁寧に塗る

液垂れ、ムラ、気泡に注意。ツヤありバーニッシュは特に目立つ。

大きめの筆で一気に塗る。

なるべく大きめの筆や刷毛に沢山のバーニッシュを付け、一気に塗り広げる。
塗った境界線を作らないように塗る。

 

●重ね塗りする場合

必ず1回目に塗ったあと、3時間以上乾かしてから重ね塗りする。

2度目は最初の塗り方向と垂直に塗るとムラが目立たない。

 

パーマネントマットバーニッシュ/サテンバーニッシュの場合:

1~2回薄く塗布する。

それ以上厚くすると、乾いた時に曇りが生じることがある。

3回以上塗布したい場合は、まずグロスバーニッシュを好みの厚みに塗布してから、パーマネントマットバーニッシュ、または、サテンバーニッシュを仕上げのコートとして塗布する。

 

 

リキテックスのバーニッシュを塗る際の注意】

 

作品の表面が十分乾いていることを確認する(絵具の厚みによって72時間~2週間)。

作業場所は十分な換気を行い、作品を埃や塵のない状態にする。

使用前に必ずやさしくかき混ぜ、沈殿した成分を混ぜ合わせる。

保護ニスのため、絵具と混ぜない。

バーニッシュは完全乾燥まで基本的には72時間。塗った後はすぐに動かしたり触ったりしない。

塗り方や選び方で作品の仕上がりが大きく変わる。金・銀のカラーのアクリル絵具、ビーズ系など輝きのあるメディウムを使っている場合は、バーニッシュによって色の見え方が変わることがあるので注意。

筆やパレットに付いたバーニッシュははすぐに水で洗い落とす。乾くと耐水性になって水で落ちなくなる。

 

 

【バーニッシュを剥がすことについて】

 

上記の種類のバーニッシュは、いずれも100%アクリルポリマー、水性で、恒久タイプで、一度塗ったら剥がせない。

 

剥がせるバーニッシュは、溶剤系の除去可能なバーニッシュで、下記の種類。

使い方は、恒久タイプのバーニッシュを塗った上に、一番上の層に剥がせる種類のバーニッシュを塗り、それだけを剥がして塗りなおすことによって、ホコリや汚れを除去する。

剥がすには、ソリューバシンナーを使う。

濡れた状態では半透明だが、乾くと透明になる。

表面を均一に整える。

耐久性に優れ、黄変を防ぐ。

柔軟性がある(気温や湿度の変化に応じて表面が伸縮するためひび割れが起きにくくなる)。

屋外でも屋内でも使える。

 

リキテックスの剥がせるバーニッシュの塗り方】

 

アクリル画であれば、絵具を完全に乾かしてから(絵具の厚みによって72時間~2週間)、バーニッシュを塗る。

 

まず、恒久タイプのバーニッシュを塗る

まず、恒久的な保護層として、恒久タイプの水性バーニッシュを1~2回全体に塗布する。
1層塗布したら1~3時間待ち、最後の層が終わったら3日間乾かす。

 

次に、剥がせるタイプのバーニッシュを塗る

ソリューバ―マットバーニッシュ、または、ソリューバー・グロスバーニッシュを、使用前に、気泡ができないように注意しながらやさしくかきまぜる。スプレータイプはしっかり振る。

液体タイプは、最大25%のソリューバーシンナーで薄めることができる。

ミネラルスピリットを使用する場合は無臭タイプではなく、「正統派」のミネラルスピリットを使用する。

薄めたバーニッシュは気泡ができやすくなるので、塗布する際は慎重に作業する。

毛先が柔らかい幅広の平筆、刷毛、コテバケ、スプレーを使って1~2回塗布する。

ブラシまたはスプレーは、表面の上から下までを覆うように、1回に長く、均一に一方向に動かす。

作業中は、気泡ができていないか全角度から塗布層を確認する。

気泡がある場合は、すぐに均一に整える。

1層塗布するたびに、24時間待つ。

 

 

リキテックスの剥がせるバーニッシュを塗る際の注意】

 

1つの作業箇所から次の箇所に移ったら、元の箇所は触らない(乾いた樹脂が濡れることによって部分的に垂れが生じる恐れがあるため。暗い色が乾いた時に曇る可能性がある。)

塗り残しがあった場合は、完全に乾かしてから塗り直す。

 

 

リキテックスの剥がせるバーニッシュの種類】

 

<ソリューバ―マットバーニッシュ>

UVカット効果により、太陽光による変質・変色から作品を守る。

ソリューバ―マットバーニッシュ

 

<ソリューバー グロス バーニッシュ>

 

UVカット効果により、太陽光による変質・変色から作品を守る。

 

ソリューバ―グロスバーニッシュ

 

リキテックスのバーニッシュを剥がすための薬剤】

 

<ソリューバシンナー>

 

ソリューバー・バーニッシュを塗った面を汚れといっしょに落すことができる。

バーニッシュを塗るために使った筆・刷毛もこれで洗う。

ソリューバー・バーニッシュの濃度を薄める専用液としても使う。

 

ソリューバ―シンナー

 

リキテックスのバーニッシュの剥がし方】

 

ソリューバー・グロスバーニッシュの層をはがしたい場合は、ソリューバーシンナーまたはミネラルスピリットを含ませた毛羽立ちのない布で、汚れやバーニッシュの表面をやさしく取り除く。

完全に乾かしてから、再びバーニッシュを施す。