この記事は、
の続きです。
この記事も、用具の仕様説明のコーナーではなく、自分が使ってみて思うこと、などのお話です。
【ボビンについて】
下糸を巻くための金具パーツに、「ボビン」という糸巻きがあります。
ボビンは、糸を巻く中央がくぼんでいて、その両側の側面の金属面に、穴が開いています。販売しているメーカーによって、この側面の金属に沢山の穴が開いていたり、1つまたは2つだけ穴が開いていたり、見た目は色々な種類がありますが、機能はどれも同じです。
どれを買ってもOKだと思いますが、工業用ミシンのボビンは、家庭用のボビンのようにプラスチック製のものは無く、金属製のものを使います。
ボビンは純正品を買うというよりは、汎用品を買うことが多いと思います。私の経験では、あまり安価なボビンは、ボビンケースを傷つける恐れもあるので使わない方が良い気がします。
恐らく工業用ミシンのみの場合になりますが、「倍釜」仕様といい、普通の長さより長く巻けるタイプのボビンがあります。ですので、倍釜用のボビンケースは、大きなボビンケースになります。
倍釜がある理由は、太い番手の糸はボビンに巻ける長さが短いため、すぐに下糸が無くなってしまうので、作業効率の点で作られたと思います。
倍釜のボビンとボビンケースは、初めて見ると少しびっくりする大きさです。
これだけ聞くと、長く巻ける倍釜は便利ですが、私にはちょっと手間がかかるときもあります。私の職業用ミシンは、工業用ミシンと同じボビン(普通釜)を使える機種です。ところが私の工業用ミシンのボビンは倍釜なので、せっかく工業用ボビンを使える機種だというのに、同じ糸でも職業用ミシンに兼用できません。
ひとくちに工業用のボビンを使う、といっても、普通釜と倍釜では大きさが違うため、それぞれに糸を巻かなければならない手間が発生する、という問題があります。
ミシン購入の検討の際は、そういった自分の全体的な作業効率なども考慮してみると良いかもしれません。
また、工業用ミシンのボビンの倍釜の仕様が欲しい場合は、ミシンの機種によっては倍釜仕様があるか、確認したほうが良いです。ミシン選びの際の、検討事項に入れても良いと思います。
ボビンに糸を巻く
ボビンの側面に穴が開いているのは、どれか1つの穴に糸先を内側から外側に出して、数回ボビンに糸を巻くためです。
ここはどのミシンのボビンでも手作業で行わないといけないですが、目が悪い私にはひと苦労の仕事です。私の場合は、外側に出した糸先を、数ミリ角の小さなマスキングテープでボビンの外側に仮で固定しています。これは糸を数回ボビンに巻いたら、下糸巻きに装着した後に取り去ります。「ビニモ」などのスルスルした糸は、すぐに穴から抜け落ちてしまうので、なかなか作業が進まなくて困ることがありますので、一時的に糸先を固定しておくと、イライラせずに済みます。
5番以上の太い糸は特に、すぐに下糸が無くなってしまうため、普通釜のボビンの場合は、2、3個余分に巻いておくと、たびたび巻かずに済んで便利です。
【ボビンケースについて】
ボビンを収納してミシンの針の下の位置に装着するものが「ボビンケース」です。
ボビンケースはあまり壊れることは無いと思います。それでも、壊れてしまったときは、ボビンケースはミシンの機種によって仕様が違うため、買うときは注意です。
ボビンケースに入れるボビンの向き
ボビンを入れる所(開いている所)を右側にして、左手でボビンケースを持ったとき、右手に持ったボビンから垂れている糸が、自分の身体と反対側(向こう側)になるような向きでボビンを入れます。
そのあと、ボビンケースの側面の隙間に、垂れている糸を挟み、小さな穴のようになっている所まで糸を引き寄せます。
糸が側面の隙間に入る時は、ボビンから垂れている糸が、いったん、ボビンに巻かれている方向と逆方向になって隙間に入る、という感じです。
普通釜でも倍釜でも、家庭用ミシン用でも職業用ミシンでも、ボビンケースの側面の穴に糸を通して出す方法は同じです。
ボビンケースをミシンに装着するときは
ボビンケースの爪を上げながら入れ、装着した時に上げている爪から指を離します。
装着後は、その爪は元どおり倒れた状態になっているはずです。
垂れている糸がどこにも引っかからずに素直に垂れている状態か、確認すると良いです。意外とここがトラブルの盲点だったりします。
下糸は、自動的にミシンの針板の上には出てこないので(笑)、上糸を手で持った状態で、手まわし作業で針を1度だけ送って上下させると、上糸が下糸をすくって針板の上に出してくれます。
ここも、家庭用ミシンや職業用ミシンの手順と同じです。
ボビンに巻いた下糸のテンション(張り)を設定する
これは一般的にボタンはダイヤルがあって数字を設定できるわけではないため、通常、感覚で設定するケースが殆どだと思います。
厳密に数値を知りたい場合、下糸用(ボビン用)のテンションゲージというものがあるようなのですが、私はその用具を使ったことはありません。
使わない理由は、ゲージに糸のテンションの数値が出ても、その数値が何を意味するのか(テンションが強いので弱めたほうが良いのか?または、その逆か?など)、指針が無いことです。
結局、テンションゲージを有効に使えるようになるまでには、表示された数値のときにテンションが強かったか、弱かったか、ちょうど良かったか、その経験値を蓄積して、答えを自分で見つけなければならない、ということです。
この発見作業をしてみたい場合は、テンションゲージを買えば、有効に使える日はいつかやって来るはずですが、糸の太さ、針の太さ、縫目の間隔、革の厚み、などなどが、毎回同じであれば統計は取りやすいですが、そうでない場合はちょっと大変です。
さて、手作業でテンションを設定する場合ですが、
ボビンケースから垂れた糸をだけを持って、ボビンケースをブラブラと持った時(ヨーヨーのようなイメージ)、すぐに床にボビンケースが落ちてしまう場合は、下糸のテンションが弱すぎると思います。ボビンケースの側面にある小さなネジを、工具で締めると、強めることができます。
丁度良いテンションの感じは、「ボビンが床に落ちない」または「すごくすごくゆっくりと落ちていく」くらいが良いと思います。
ただ、「床に落ちない」状態のときは、逆に、テンションが強すぎても落ちてこないため、必ず、「少し糸が落ちてくる程度」を確かめて、そこから、落ち具合を「かなりゆっくりめに設定する」のが良いと思います。
もちろん、最後は、実際に試し縫いをして、縫目を見て確認したほうが良いです。
これも、家庭用ミシンや職業用ミシンの手順と同じです。
縫った縫目の下糸側が絡まる
これ、本当に困ってしまいますよね。幾つかの理由が考えられると思います。
・そもそもの下糸のセッティングが間違っている。
・ボビンの糸が綺麗にまかれていなかったため、ボビンケースから流れるように出てこない。
・ボビンケースがミシンに装着された際、垂れている糸が通常のルートではなく、どこか途中に挟まってから出てきている。
・下糸のテンションが上糸とかなり合っていない。
などなど(上記は全部、私の失敗ケース)・・・( ´艸`)
返し縫いをする場合、縫い始めの位置だけ下糸が絡まる
裏側だけ絡まっているため、残念なことに縫い終わってから気付いたりします(-_-;)
そのときは、糸をどちらかの手で、ごく軽く自分の身体と反対方向へ引っ張りながら縫い始めると良いみたいです。どこかで教わりました。
これらの原因や対処法も、家庭用ミシンや職業用ミシンでもほぼ同じかと思います。
ここまで、ボビンとボビンケースについて、思うことを書いてみました。
続きはこちらです。 ↓
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