革を縫うミシンのお話
工業用ミシン購入の検討の際に
その2:針
この記事は、
の続きです。
ミシン本体以外のパーツや用具について、仕様説明のコーナーではなく、自分が使ってみて思うことなどを書いていきます。
今回の記事は、『革を縫うミシンに使う針』についてです。
【ミシン針について】
ミシン針の有名どころのメーカーと言えば、オルガンですね。
他に、シュメッツ、グロッツ、なども聞いたことがあるのではないかと思います。
ミシン針の種類(太さ)は、数字が大きくなるほど、太くなります。
世の中には色々な種類のミシンがあるので、ミシン針の番手(太さ)も、針の種類も、結構たくさんあります。
(革が縫える)家庭用ミシン:
「家庭用ミシン用のレザー専用針」を使うことになります。
レザー針だと11、14、16番があるようですが、革を縫う場合、ほとんど16番あたりしか使わないと思います。
針先がナイフのようにとがっていて、革に切り込みやすくなっています。
ミシン針には、糸を通す所のあたりに「えぐり」があるのですが、家庭用ミシンにミシン針を付ける際の針の「えぐり」の方向は、針を挿す所の形に合わせて挿すので、間違いなく付けられると思います。
(革が縫える)職業用ミシン:
家庭用ミシン針を使う機種の場合、「家庭用ミシン用のレザー専用針」。
工業用ミシン針を使う機種の場合、「工業用ミシン用の針(後述)」。
いずれも、ミシンの機種にもよると思いますが、使用できるのは太くても19番位までではないかと思います。ですので、革が縫えるミシンであっても、あまりにも厚い革を縫おうとすれば針が折れてしまう、ということは発生すると思います。
ミシン針の付け方は、「えぐり」の方向を自分できちんと定めて付ける必要があります。
(革が縫える)工業用ミシン:
使用できる番手の範囲は、16~24番くらい(革を縫う際は殆ど19番以上)。
工業用ミシン針は、とても沢山の種類があります。
ミシンの機種によって、使用できる針の番手の範囲が異なります。
また、DP針、DB針、など種類がある(針の長さが微妙に違います)ので、自分のミシンの機種用の針を買ってください。
機種にもよると思いますが、細いほうが16番位を使える場合は、コットン系のしっかりめの布であれば、縫糸もある程度太い糸(30番手の糸とか)を使うことになるので、鞄の内布なども縫えると思います。
「革用の」工業用ミシンでは、機種によるとは思いますが、恐らく11番、14番あたりの針(普通地の厚さの布を縫う番手)は使えないと思いますので、鞄の内布などに、薄めのナイロンや薄めのシャンタンなどの布を使いたい場合は、家庭用ミシンか職業用ミシンで縫うことになります。もちろん物理的には太い針でも縫えますが、縫目のまわりに余分な針穴が開いてしまい、ちょっと目立ってしまいます。
「革を縫う」工業用のミシン針では、
見た目でいうと、大きく2つに分かれます。
・菱目打ちで穴開けして手縫いするのと同じように、縫目が斜めに出るもの
・縫目が真っすぐに出るもの
仕上げのしかたによって、使い分けます。
例えば、革の吟面(表側)を縫う場合は、どちらでも好きなほうで良いと思いますが、
「縫い割り」や「内縫い(鞄やポーチなどの袋状のものを内側で縫って、ひっくり返す作り方)」の袋物を縫う場合に、わざわざ縫目が斜めになる針を使う必要は無いと思います。
針先の形状でいうと、沢山の形状がありますが、大きく分けて、
・縫う対象物を切って縫うタイプ(ナイフ針)→革を縫う際に使用。
・縫う対象物を切らないで縫うタイプ →布、革を縫う際に使用。
それぞれのタイプで、先の形状は、菱形、丸い形など、色々あります。
頭が混乱しそうですね。。。
革の作品を作る場合、どちらの針先の形状の針も必要になってきます。
革を縫う場合ならすべて縫目が菱目に出るナイフ針、というわけでも無いのです。
革の袋物(鞄やポーチなど)を縫う場合は、革を中表に合わせて縫ってから表にひっくり返す、ということが多いですよね。そういう場合、菱形のナイフ針で縫ってしまうと、表にひっくり返した時、縫目の脇にプツプツと切り込みが入ったような状態になってしまい、見た目が綺麗にならないため、先の形状ができるだけ小さく丸い形のナイフ針を使います。
また、鞄の内布を縫う場合は必ず、布地を切らない、いわゆる普通の針(=ナイフ針以外の針)、を使います。ナイフ針を使ってしまうと布地が切れて、見た目が綺麗ではないのに加え、縫目がほつれてきて、耐久性に問題が生じてきます。
用途で分けると、目飛び防止、粘着防止、地糸切れ防止、太穴用、などなど、様々なものが販売されています。
糊で接着することが多いレザークラフトでは、粘着防止針は持っていて損は無いと思います。
材質で分けると、一般的な針以外に、チタン(コーティング)針というのもあって、針折れ対策だと思います。
厚い革を縫う際に何度も針が折れてしまう場合は、必要になってくるかもしれません。
余談です
家庭用ミシンや職業用ミシンには、薄物用針板、薄物用押え、というものが販売されている機種があります。付け替えることができるミシンであれば、マスクなどを作るためのガーゼなど、とても薄い布を縫うこともできます。
これは、革用の工業用ミシンではできないことなので(アパレル用ではない機種なので)、サブのミシンとして家庭用ミシンや職業用ミシンも買おうと考えている場合は、普段、他に何が縫いたいか、ということも視野に入れて選ぶと、応用の幅が広がって使い勝手が良いと思います。
以前に、ミシン針の選び方がわからなくて、色々と調べていたことがあったのですが、
ミシン針って、とっても沢山の種類があるようなんですね。
全然知らなかった情報もあって、恥ずかしくなったくらいです( ´∀` )
続きはこちらです。 ↓
leatherworksthalia.hatenablog.com