レザークラフト研究

横浜で小さなレザークラフト教室をしています。

2室に分かれたダブルファスナーポーチ 作りかた 3.組立編

こちら ↓ の2つの記事の続きです。

 

leatherworksthalia.hatenablog.com

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この記事では、白っぽい色革のポーチの写真で説明していきます。

 

ファスナーポーチの組み立て

 

1. 

「胴」革パーツと、「ファスナー+マチ革」の縫い合わせ

 

「胴(このポーチのメインのパーツのことです)」革の1枚と、

先ほど縫い合せておいた「ファスナー+マチ革」パーツ1個を、縫い合わせます。

 

●まず、それぞれのパーツに印を付けておきます。

基本的には、ここで型紙が必要になってきます。

 

「胴」パーツは、次の位置に印を付けます。

・胴のファスナーの縫い止まり位置(左右2か所)

・胴の上辺の中央

・胴の下辺の中央

 

「ファスナー+マチ革」パーツは、次の位置に印を付けます。

・上記の「胴の上辺の中央」と付け合わせる位置

・上記の「胴の下辺の中央」と付け合わせる位置

 

●次に、革を中表(革の吟面どうしが内側で合わさる状態)に合わせます。

「ファスナー+マチ革」パーツの1つと、「胴」パーツの1つを印位置で合わせて、

サイビノールなどの糊で仮止め接着します。

端から3~4ミリのところを針落とし位置にして、グルっと一周縫います。

 

 

2. 

手順1で作ったパーツの外周に、もうひとつの「ファスナー+マチ革」のパーツを、中表に合わせて重ねます(写真を参考にしてください)。

端から5ミリの位置でグルっと一周、縫い合せます。

※端から3~4ミリ位の位置で縫った1のパーツよりも、より深い5ミリの位置で縫うことで、手順1で作ったパーツの外周の縫い目が隠れることになります。

 

 

3. 

手順2で作ったパーツと「胴」パーツを縫い合せて、1室目を作る

 

●手順2で作ったパーツの、ファスナーを必ず開けておきます。

 

●手順2で作ったパーツに、

「胴」革パーツ(ベルトループの付いていない革)を、

『外側にあるほうの』「ファスナー+マチ革」パーツと、

中表に合わせて、サイビノールなどの糊で仮接着します。

 

仮接着した外周をグルっと一周縫います。

 

縫えたら、開けておいたファスナーの口から、革を表にひっくり返します。

 

これで、2室のうち、1室ができました。

ひっくり返した様子。
1室ができました。
もう1室はこれから作りますが、ファスナー+マチだけがくっついている状態です。

 

4. 

1室目の隣に、2室目を作る

 

●手順3で作ったパーツの、横にくっついているだけの「ファスナー+マチ革」パーツのほうを、中表の状態にします。

 

方法:

手順3の最後の写真では、「ファスナー+マチ革」パーツは、表に返った状態になっています。

これを、表側(吟面)が内側になるように、先ほど作った1室目の方向へ、裏返して倒し、1室目の上にかぶせます。

(下の写真を参考にしてください)

「ファスナー+マチ革」パーツを、反対側に裏返して倒し、1室目に沿わせる


●先ほど倒した「ファスナー+マチ革」パーツのファスナーは、必ず開けておきます。

 

●次に、「胴」革パーツ(ベルトループが付いている革)を、

この「ファスナー+マチ革」パーツと中表に合わせ、

サイビノールなどの糊で仮接着し、外周を縫い合わせて、2室目を作ります。

※中表に合わせると、一時的に、1室目が2室目の中にすっぽり入った状態になります。

 

一周、グルっと縫い終えたら、先ほど開けておいた2室目のファスナーの開き口から、2室目を表に返します。

 

1室目と2室目が横に並びます。

これで、出来上がりです!

 

ぜひ、作ってみてくださいね。

 

 

2室に分かれたダブルファスナーポーチ 作りかた 2.準備編

leatherworksthalia.hatenablog.com

の続きです。

 

途中、白っぽい色革のポーチの写真が混ざっていますが、ご了承ください。

 

 

2室に分かれたポーチ 作りかた 2.準備編

 

こんな感じの2室あるミニポーチを作っていきます。

 

1.

「パイピング」パーツを作る

 

パイピング用の巻革の床面にサイビノールなどの接着剤を塗ります。

巻革の幅の中心にパイピング芯を置きます。

パイピング芯を巻くように巻革を2つ折りにして接着します。

革が柔かいので、革を伸ばさないように、位置がずれないように、注意します。

接着がはがれないように、ローラーなどでしっかりと圧着します。

計3本、作っておきます。

パイピング芯に巻革を巻く

パイピングができた!


2.

「ファスナー+マチ革」パーツを作る

 

マチ革の両端を、それぞれ「ヘリ返し」(革を折り返して接着すること)します。

(計2枚)

 

ファスナーの、上留め、下留め(それ以上スライダーが動かないように施されたファスナー両端にある金具のこと)のすぐ脇に、先ほど端をヘリ返ししたマチの革を、それぞれサイビノールなどの糊で仮止め接着し、そのあと、写真の赤線の所をミシンで縫います。

計2セット、作ります。

ファスナーとマチ革を、写真の赤線の所で縫い合わせ、1つのパーツにします
(計2セット)。

 

3.

「胴」革パーツの1枚に

ベルト通し用のテープを接着しておく

 

胴革を1枚、横長に置き、上辺、下辺とも、横の長さの中央位置に、印を付けます(吟面に)。

テープは縦長に置き、上辺、下辺とも、横の長さの中央位置に、印を付けます。

印は、吟ペンかボールペンで、点か、1mm位の長さの線で、目立たないように付けます。

上辺、下辺とも、それぞれ付けた印どうしを合わせて、革にテープを乗せます。

それぞれの端を、サイビノールなどの糊で、5ミリくらいの幅で接着します。

 

ごめんなさい、この工程の写真がありませんが、赤枠部分のことです。

 

 

4.

「胴」革パーツに「パイピング」パーツを接着しておく

 

写真を参考に、「パイピング」パーツを「胴」革パーツの周囲に、サイビノールなどの糊で接着します。

(計3枚)

※写真の2㎝x2㎝位の「小さな革パーツ」は、継ぎ目を隠すために付けています。0.5㎜厚くらいの革を使うのが理想的です。無くてもOKですが、あったほうが見た目が良くなります。

写真のように、4つの角(カド)に切り込みを入れ、接着したパイピングができるだけ自然な形になるようにします。

切り込みの長さは、根元を0.5㎜くらい残すイメージで、ハサミを入れます。

 

 

 

ベルト通しが貼ってある「胴」革パーツは、その上からパイピングパーツを貼ります。

 

 

各パーツの組み立てを終えたので、

次回の記事 ↓ は、いよいよパーツどうしの縫い合わせです。

 

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2室に分かれたダブルファスナーポーチ 作りかた 1.概要編

知人の依頼でこんなダブルのファスナーのポーチを作ってみました。

2つの部屋に分かれていて、それぞれファスナーで開閉します。

後ろ側にナイロンテープがあるので、ウエストのベルトに通して使うことができます。

 

2室に分かれたポーチ(ダブルのファスナーのポーチ)茶1

2室に分かれたポーチ(ダブルのファスナーのポーチ)茶2

2室に分かれたポーチ(ダブルのファスナーのポーチ)茶3

 

調子に乗って、色違いも作ってみました。

2室に分かれたポーチ(ダブルのファスナーのポーチ) 赤

2室に分かれたポーチ(ダブルのファスナーのポーチ)白

 

【概要】

 

写真のようなポーチでは、「クロムなめし」という、とても柔かくしなやかで、表面の加工により水をはじきやすい革をよく使います。

また、ミシンや手縫いによる「内縫い」(このポーチは内縫いで作っています)に適しています。

 

「内縫い」は文字通り、外側から縫い目が見えません。

内側に縫い目があるということは、革の裏側(床面)から縫って、袋状に縫いあげてから、表にひっくり返す、という手順で作ります。

 

 

★材料について

 

<革>

 

革は必ずクロムなめしの柔かい革を使います。

ここでいう「柔かい」の程度は、鞄を縫って作っても絶対に自立しなさそうな、ぐにゃぐにゃの柔かさのことです。

革材料専門店以外でも、大きめの手芸材料店などでも売っている場合があります。

革の厚みは、厚くても1㎜まで、が良いと思います。

 

<ファスナー>

 

普通のファスナーでも、

ポーチの写真のような、頭合わせタイプのファスナー(スライダーが2つある)でも、

どちらでも良いです。

 

頭合わせのファスナーにしておくと、好きな位置で閉められるため、特にウエストのベルトに付けたい場合は、身体をあまりひねらなくても楽に開閉できます。

 

 

<プラスチック製パイピング芯>

 

今回のこのポーチでは、革が非常に柔かいため、成型するために、細いプラスチック製の、パイピング芯があったほうが作りやすいです。

手芸店などで買えます。

 

ただ、経年により、この手のプラスチック系のパイピング芯は、革が劣化してきた際に中から飛び出してくることがあります。

これはもう仕方がないことです。予めそういう可能性があることをわかっておくと良いです。

 

なお、革漉機がある人は、革だけでパイピング芯のパーツを作ることもできると思います。

 

 

<テープ(ベルトループ用)>

 

素材はナイロン、アクリルどちらでも構いません。

エストのベルトに通して使う目的のため、へたりが早いと困ります。

硬めでしっかりしたテープを選びます。

(例:厚さ2ミリのヌメ革を曲げようとしたときの硬さくらい。

          ちょっとわかりにくいかな・・・?!)

手芸店などで買えます。

 

 

★裁断について

 

型紙通り裁断するだけなのですが、クロムなめしの革は柔かいため、カッターなどよりはハサミのほうが切りやすい場合が多いです。用具は自分が切りやすいもので行います。

 

材料を裁断しました。
(このファスナーは撮影用です。頭合わせ(両開き)タイプのファスナーではありません。)

 

 

★縫製について

 

このポーチはミシンで縫います。手縫いはお勧めしません

どうしても手縫いする場合は、後半に記載してる要領で縫うことをおススメします。

 

<ミシンの場合>

 

少しカーブのところは大変かもしれませんが、工業用腕ミシンが無くても、平ミシンだけで縫えます。家庭用ミシン、職業用ミシン、工業用ミシン、どれでも大丈夫です。

 

ただし、革を縫うことを想定していないパワーの弱い家庭用ミシン・職業用ミシンの場合は、革の胴とマチの周囲を革漉きしておくほうが無難です。

 

もし、革漉きができない場合は、

できるだけ薄い革(理想的には厚0.6~0.7㎜程度)を用意します。

 

縫うためには薄くなければならないのですが、

使用に耐えるためには、すぐに破れてしまわない程度の強度が無いといけません。

そこで、胴とマチの床面に、薄い不織布系の芯材を貼って、補強します。

芯材の指定は特にありませんが、

なるべく薄く、しなやかで、革のハリを出せるものを選びます。

おススメは、0.4㎜厚くらい、不織布、接着用シールが付いたもの。

革にはアイロンがかけられないため、通常、芯材は、自分で糊で貼るタイプか、シール付きタイプを使いますが、今回は、シール付きのタイプの芯材が良いです。

今回の革の材料は厚みがあまり無いのと、クロム鞣しのため、糊が表に染み出す恐れがあり、糊での接着はおススメしません。

 

芯材を貼る位置は、ミシンをかける部分を避けて貼ります。

革のパーツを裁断したら、予め貼っておきます。

 

 

<ミシンの押え>

 

カーブが縫いやすくなるように、小回りがきく押えを選びます。

 

 

<糸>

 

糸の番手は、30~40番手くらいが良いと思います。

あまり細い番手だと切れやすくなりますし、あまり太い番手だと、革を表に返した時にゴロゴロと邪魔になります。

 

 

<(おススメしませんが、)手縫いの場合>

 

通常の穴あけ方法での手縫いはおススメしません。

理由は、菱目打やヨーロッパ目打で斜めに穴開けすると、ひっくり返した際、縫い穴の端が表に見えやすい点にあります。

革がところどころ切れているようにも見え、あまり綺麗ではありません。

 

どうしても手縫いする場合は、ちょっと大変ですが、ポンチで穴開けして縫うか、短い1本目(開ける穴が1つの時に使う目打ち)を使って、斜めではなく直線に縫い穴を開けて縫えば、表にかえしたときに糸が見えにくくなります。

ポンチの穴の大きさの目安は、糸が通る大きさになるので、以下のような感じです。

糸のΦが0.55㎜の場合:直径0.6㎜のポンチ

糸のΦが0.45㎜の場合:直径0.5㎜のポンチ

 

[縫い穴のイメージ]

/ / / / /  (斜めに穴を開ける→NO!)

-----(まっすぐ穴を開ける→YES)

 

また、1.5ミリピッチ位で穴開けして縫わないと、角(コーナー)の丸みが綺麗に出ないので、なるべく幅が細く、ピッチの小さいポンチや目打ちを使います。

 

 

★続きは次の記事で★

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革でクリスマスの飾りを作る

クリスマス用の飾りつけ

作ったものは

クリスマス・ツリー

・クリスマス・ソックス

・クリスマス・リース

 

クリスマス・ツリー

これはとても簡単です。

ツリーの型紙は、ウェブサイトで検索すれば、無料の型紙をダウンロードできます。

でも、自分で型紙を作ることも難しくありません。

大きさや形を自分のオリジナルで考えて作っても面白いです。

ダウンロード無料型紙の例(ありがとうございます!)

 

<材料>

・革(ツリー用)

 ※少し厚さのあるタンニン鞣しの革)

・端革(オプション)(飾り用)

 ※厚さは1.5㎜位までの、タンニン鞣しの革が好ましいです。

・染色用品(オプション)

 ※革に塗れる塗料なら何でも良いです。

  染色はしなくてもツリーを作れます。

 

さて、作り方です。

<作りかた>

 

1. 革の裁断

 

革を型紙1種類に対して、2枚用意します。

厚みがあるほうが、ツリーを立てるときに自立しやすいですが、

厚い場合、革の裁断が大変になります。

そのため、予め2枚の革を貼り合せて裁断するのではなく、

1枚だけ型紙どおりに裁断してから、別の1枚と貼り合せて、残りの革も裁断します。

 

コバは軽く磨いたほうが、よりキレイになりますが、適度で良いと思います。

 

2. 染色

 

好みの彩色、飾りつけをします。

自分の場合は、ツリーに雪が積もっているような見立てで、部分的に、白いアクリル絵具を塗りました。

そして、捨てるのがもったいないと保管してあった大量の端革を、色々な大きさのポンチで抜いて、なるべくキラキラした色で彩色し、ツリーに適当に貼り付けていきました。

 

これで、完成です!

 

 

 

【クリスマス・ソックス(ストッキング)】

 

こちらも簡単で、靴下の無料の型紙は、Tandyのサイトでダウンロードできます。

作り方も、このページのTandyのYouTubeのリンクから見ることができます。

tandyleather.com

 

<材料>

・革

 ※クロム鞣しの革、又は、鞣しの方法に関わらず柔かい感じの革が良いです。

・革レース

 ※幅3㎜くらいが良いです。

・革レース専用針

・ファー(毛皮)(オプション)

・自分でカービングした革(オプション)

 

<作りかた>

 

1. 革の裁断

 

型紙どおりに革を1枚、裁断します。

裏側になる革1枚は、型紙を反転して裁断します。

「できあがったとき両面が表(吟面)になる」ように考えて裁断すれば、難しくありません。

 

2. ファー、カービングした革の取り付け

ラビットやラクーンなどのファー(毛皮)や、カービングした革を付けたい場合は、

このステップで付けておきます。

自分の場合は、着なくなったコートの襟に付いていた、ラクーン(タヌキ)の毛皮が残っていたので、それを靴下の幅にカットして裏面を糊で貼りました。

貼っていない靴下よりも、とても見栄えが良くなりました。

 

3. 革の貼り合わせ

 

裁断した2枚の革を、上部以外、サイビノールなどの糊で貼り合せます。

上部が開いていないと、靴下が履けないので(笑)、一周、貼り合せてしまわないように、気を付けます。

 

4. 菱目打ちで穴を開ける

 

上部の開口部以外に、端から3~4㎜くらいで、菱目打ちで穴を開けます。

用意した革レースの幅に合わせて、菱目打ちを選択します。

革レースは色々な幅のものが売られていますので、好みのものでOKですが、

例えば、幅が3㎜くらいの革レースを使う場合、6㎜ピッチの菱目打ちが合うようです。

幅に合わせて、菱目打ちを選びます。

 

5. 革レースを巻きかがりで通す

 

革レースをレース針に挟んで付けたら、いちばん端の穴に針を通します。

15㎜くらい残して、次の穴に針を通します。

残した15㎜の革レースの裏に糊を付けて、

隣の穴に巻き付けた革レースの下に入れ込んで、コバに貼り留めます。

同じ要領で、次の穴、また次の穴、と、針を通していきます。

グルグルと巻き付けていく感じです。

巻き付けていく際に、革レースがねじれないように注意します。

最後の穴まで針を通したら、一巻きして、もう一度、最後の穴に針を通します。

さらに、「最後の穴の1つ手前の穴」から出ている革レースの下に入れ込んで、糊でコバに貼り留めます。

 

これで、完成です!

 

 

【クリスマス・リース】

 

<材料>

・リースの土台となる素材

 ※小枝のような木で丸く作ってあるものが売られています。

・革

 ※柔らかめの革で、1㎜厚くらいまでにしたほうが収まりが良いです。

 ※私の作ったリースは、コシのあるタンニン鞣しの端革を使ったので、丸いリースの土台に沿わせることができませんでした。もっと柔かい革を使うと、もっと見栄えが良いものになると思います。

・テグス

 ※ビーズアクセサリーを作る際に使われる、透明なプラスチックのような糸です。

  無い場合は、5番くらいの革用の糸、

  それも無い場合は、30番くらいの糸(ジーンズのステッチに使うくらいの糸)

  でも代用できます。

・ビーズ(オプション)

 

<作りかた>

 

1. 革の裁断

 

革の葉をたくさん用意します。100枚近くあると良いです。

切り込みを入れるのは大変ですが、入れたほうが、より一層、葉のように見えます。

自分の場合は、長さ5㎝くらいの葉をたくさん、長さ8㎝くらいの葉を10枚くらい作りました。

革の葉を作る

2. 穴あけ

 

葉の上のほうに1.5㎜くらいで穴を開けます。

葉の上下を間違えないように穴を開けましょう。

葉の上側に穴を開ける

 

3. 葉の塊を作る

 

4枚くらいの葉をまとめて、長さ20㎝くらいのテグスをその全部の穴に通し、最後は結んでひとまとめにします。

余りのテグスは長いままにして、切らないでおいてください。
葉を少しずつずらして、裏側を速乾ボンド(セメダイン系)で1枚ずつ固定します。

セメダイン系のボンドを使う際は、必ず換気してください。

これを任意の数、作ります。

必要な数は、リースの土台の大きさによって異なりますが、直径20㎝の土台に対して、20個くらいで足りました。

大きな葉は、なるべく一番外側に配置したほうが、全体の見た目が良いようでした。

テグス等を4枚位の穴に通してまとめ、少しずつずらして、裏側をボンドで固定。

 

4. リースの土台に葉の塊を付ける

 

リースの土台の木に、長いまま切らないでおいたテグスを巻き付けて、裏側で結びます。余ったテグスは1㎝くらい残してカットします。

この作業を繰り返し、リースの土台に一周グルっと、付けていきます。

ときどき、表側から確認して、葉の配置を整えながら、作業していきます。

葉の塊を付けていく間隔は、リースの土台の大きさと、葉の大きさによりますが、次に付ける葉の塊と、程よく重なる位置を見つけてください。

直径20㎝の土台の場合、3㎝くらい間隔をあけて付けました。

土台に葉の塊を付けていきます。

 

5. 葉の配置を整えながらリースの土台に固定する

 

表側にリースの土台をひっくり返し、葉の塊を一つ選んで裏側に速乾ボンドを付け、リースの土台に貼り付けて、固定します。

そのまましばらく葉の塊を手で上から押さえて、完全に接着するのを待ちます。

この作業を繰り返して、全ての葉の塊をリースの土台に固定していきます。

このとき、葉の配置のバランスを整えながら、次の塊を接着していってください。

 

リースの土台に葉を付けました

6. 【オプション】飾りを付ける

 

自分の場合、ビーズ(自分の場合は、パールビーズ使用)をテグスに通し、リースに適当に巻いて、テグスの開始部分と終了部分を結んで、飾りつけしてみました。

直径20㎝のリースの土台で、写真のように巻いた場合、長さ100㎝以上必要でした。

テグスの開始部分は、終了部分と結ぶ必要があるため、15㎝くらい余分にとっておいてから、玉を作って、ビーズを通し始めると良いです。

 

パールのビーズをテグスに通します。

ビーズでなくとも、巻き付ける飾りは、他に、リボンや、クリスマスモチーフの飾りなど、色々なアイデアがあると思います。

仕上げにビーズを巻いてみました

バリエーションです


ボンドが乾いたら、完成です!

 

レザーに使える染色剤

覚書です。

 

【レザーに使える染色剤】

 

対象とする革:素上げのヌメ革

 

※特に革専用と表示されていなくても使える染料がある。
※メタル系の色の場合、プラモデル用のアクリルやエナメルカラーもOK。

 


<水彩絵具(染料系)>

 

●ヨーロッパ最高のドイツの老舗シュミンケホラダム社

 

●クラフト染料

 


[染料系の絵具で着色後の仕上処理]

 

●レザーバインダー
Leather Binder→Lacquer

 

※染料系着色剤の場合、ラッカーの前に、防水・目止めのため、レザーバインダー(ラテックス)といったものを塗布。


※塗りすぎると白残りするので注意。

 

<水溶性のアクリル絵具(顔料系)>

 

※不透明タイプ、半透明タイプあり。


※顔料系着色剤の場合、レザーバインダーの塗布は、基本的には不要。

 

リキテックス(日本総販売元:バニーコルアート社)
Liquitex

 

●クリルガッシュターナー社)
Acryl Gouache (Turner)

 

●アクリラガッシュ/アクリリック ガッシュホルベイン社)
Acrylic Gouache (Holbein)

 


[顔料系の絵具で着色後の仕上処理]

 

●ラッカー
Lacquer

 

※革用の透明なラッカーを上から塗ると(スプレー可)、表面にラッカーの被膜が形成され、固着する。


※塗りすぎに注意。

 

 

<マジック・鉛筆系>

 

●クレヨン
Crayon

 

●水性マジック
Water-Based Marker/pen 

 

ダーマトグラフ三菱鉛筆
DERMATOGRAPH (Uni Co.,Ltd Mitsubishi Pencil)

 

クレパス(サクラ)
Cray-Pas (Sakura Color Products Corporation)

 

クレパススペシャリスト(サクラ)
Cray-Pas Specilist (Sakura Color Products Corporation)

 


[画用液(調合溶き油)]
クレパスのオイルを溶かす。

 

●ペンチング・オイル(ホルベイン
Peinting Oil (Holbein)

 

●オドレスペトロールホルベイン
Odorless Petroleum (Holbein)

 

 

[仕上処理剤]


ワックス系クレヨンに対する仕上剤

  ↓

●クレヨンコート(ホルベイン)
 Crayon Coat (Holbein)

 

水性マジック、ダーマトグラフに対する仕上剤

  ↓

●フィキサチーフ(タ―レンス)
Fixatif(Talens)

 

●フィキサチフ(ホルベイン)
Fixative(Holbein)

革を縫うミシンのお話 工業用ミシンの購入の検討の際に その5:押え

この記事は、

の続きです。

この記事も、用具の仕様説明のコーナーではなく、自分が使ってみて思うこと、などのお話です。

 

 

【(革を縫う)工業用ミシンの押えについて】

 

日本語だと、押え、押さえ、押え金、など、幾つかの言い方と表記があります。

ここでは、「押え」と書くことにします。

 

この記事のシリーズ『その1』でも書いたのですが、

(引用)

『革を縫うのによく使われる上下送りミシンや総合送りミシンは、2つの押えの動き(人が歩く時の脚の動きと似ていて、交互に革を上から押さえながら動いて送る)と、下側にある送り歯とが、うまく連動して革を送るため(総合送りミシンは、2つの押えと送り歯に加えて、針の動きも送りを助けている)、押えも2つ必要、と思っていれば良いと思います。』

 

そういうわけで、「総合送りミシン」と「上下送りミシン」は、「外押え」と「中押え」という、2つの押えを付ける必要があります。

 

この動きになぞらえてだと思いますが、英語だと、

(普通の1つの)押えを [presser foot] というと思いますが、

2つの押えがあると [walking foot] と呼ぶこともあるようです。

なんだか押えが自分で歩いてくるイメージ、面白いですね。

 

「工業用ミシン」のうち、付ける押えの数が1つのミシン用の場合は、押えの種類がとても多く、カタログがパンフレットではなく「本」になっているくらいです。

それに対し、「総合送りミシン」と「上下送りミシン」の押えは、種類がとても少なく、カタログは、1ページとか、そんな感じです。

あくまで革用の工業用ミシンにおいてですが、私の知る限りでは、総合送りミシンの押えよりも、上下送りミシンの押えのほうが、種類が少しだけ多いようです。

 

総合送りと上下送りのミシンの種類が少ない理由の一つに考えられるのは、「外押え」と「中押え」を組み合わせて付ける必要があることが関係していると思います。

例えば、はじめに使いたい中押えを選んで、その中押えの幅に合わせて外押えを選ぶとして、その組み合わせの数を考えたら、沢山あります。でも、そこまで買い手のニーズが多く無いので沢山の種類が用意されていないのかな?とも思います。

そもそも工業用ミシンの押えは、家庭用ミシンや職業用ミシンの押えに比べ、値段がかなり高めで、たくさん揃えようとすると、ハードルが高いです。

 

なお、オリジナルの押えが欲しい場合は、ミシン部品を生産してくれるミシン屋さんもあるので、オーダーできますが、値段は高いです( ´∀` )

 

先ほども書いたとおり、そもそも押えの種類が少ないのに、革を縫う場合、押えの底がフラット(ギザギザが無い状態。「歯」が付いていないもの)でないと、革に傷が付いてしまうので、さらに押えの選択肢が減る、という悲しいポイントがあります。

ギザギザ(歯)がある押えの例 このタイプは革を縫うのに使えない

 

 

【ミシンのタイプごとの押え】

 

そもそも家庭用ミシンの場合、とても安価なミシンを除いて、だいたい、どのメーカーのどの機種でも、ジグザグ縫い(裁ち目かがり)、ボタンホール作り、まつり縫い、などはできるようになっていると思います。はじめから、純正の押えが何種類か付いてきます。

洋服を縫ったりするにはそれらの押えで充分な場合が多いので、押えのことを調べてみようと思うきっかけがあまり無いかもしれません。

 

職業用ミシンの場合、工業用ミシンの押えを使うタイプがあり、その場合だと、かなり多くの押えの選択肢があります。

私の場合、買うときに押えのことはあまり念頭になかったのですが、結果的に、工業用ミシンの押えが付けられるミシンを買ったので、色々な押えを付けられて使い勝手が良いです。でも、はじめから色々な押えが付けられると知っていたわけではなく、玉縁(パイピング)を縫おうと思ったとき、初めて押えのことを調べました。

 

工業用ミシンにおいて、上下送りミシン用と、総合送りミシン用の押えを買う場合、殆どがミシンメーカーの純正品ではなく、汎用品を買うことになるように思います。カタログに載っているのは、主に、次の用途のものです。

 

●端から決まった幅で直線縫いをする

→「xxミリ(爪付き)押え」

⇒これは、吊定規やマグネット定規で対応できます。なんとか買わなくてもOK。

 

 

●玉縁(パイピング)を作る

→「パイピング押え」

⇒中押え、外押え、セットで買う必要があります。

※パイピング押えの底は、パイプが通るように丸くえぐられています。

※パイピングの円の直径は種類があるため、パイピング押えも、その直径ごとに種類があります。縫いたいパイプの太さや、巻きたい革の厚さで考えて選択すれば良いと思います。

パイピングを入れて縫った例

 

 

●鞄の丸い持ち手を作る

(丸い紐芯を持ち手の革に「先に入れて」、持ち手が丸い状態で縫う)

→「丸手押え(丸手紐押え)」

⇒中押え、外押え、針板、送り歯の、セットで買う必要があります。

※玉縁(パイピング)押え同様、持ち手の直径によってセットを付け替える必要があります。

※ある程度の慣れ、練習が必要です。

丸手押え(中押え、外押え) 針板、送り歯を付けたところ

丸い持ち手の際に「垂直に」針を落とすには、丸い持ち手の下半分の半円が、針落ちの位置よりもさらに下側に位置していなければなりません。そのためにはまず、中押え、外押えをセットで付けて、針落ち位置の上側に半円形を作り、次に、送り歯と針板をセットで付けて、針落ち位置の下側に半円形を作ります。これで、丸い持ち手を挟んで縫い進めることができます。

そして、この4つともパーツが取り替えられるのは、「腕ミシン」だけです。平ミシンでは、構造的に、丸手押え用の送り歯(左側に金具が突出している)を付けることができません。

 

腕ミシンでは、4つのパーツを付け替えることによって、丸い持ち手の際(きわ)に垂直に針を落とせます。

一方、平ミシンでは、外押えと中押えを変えることで、なんとか丸い持ち手を縫うことができます。ただ、先ほど書いたとおり、構造的に、左側に突起のある送り歯に変えることができないため(送り歯を変えないので針板も変えない)、針板の上に丸い持ち手が全て乗っかった状態で縫うことになります。縫う所を針板にギュッと押し付けて縫うので、厳密には、持ち手の際(きわ)に針が垂直には落ちていません。

 

<持ち手が針板の上に置かれた状態の比較>

↓は針、 〇は持ち手、 ―と_は縫う所、 をそれぞれ指しています。

 

・腕ミシン(持ち手の上下の中央に、縫う所を配置できる)

    ↓

   〇ー

 

・平ミシン(持ち手の上下の底側に、縫う所が配置される)

    ↓

   〇_

 

比較すると少し違うよ、ということではあるのですが、平ミシンしか持っていなくても丸手の外押えと中押えがあればなんとか縫えますので、試す価値はあると思います!

 

さて、手縫いで丸い持ち手を作るのは、結構、時間がかかりますよね。やっぱりミシンで手早く縫いたいという場合に、もうひとつの方法として、先に革を縫い合わせて空洞を作っておいて、後で紐芯を通す方法(よく裁縫で行う方法)があります。

これで妥協すれば、この丸手押えは、無くてもOKだと思います。

ただし、この方法だと、革の床面は滑りが悪いので、紐芯の素材によっては、摩擦抵抗が強くてうまく通せない場合がよくあります。プラスチックに消しゴムを混ぜて練ったような素材の丸芯は、なかなか通らなくて諦めたことがありました。手紐芯には他に、表面がツルツルのプラスチックの丸芯、丸い紐状の繊維でできた芯、など、素材の質感が違うものが色々あります。いずれにしても、革に皴が寄らないようにぴったりの大きさの紐芯を通すのは、なかなか作業が進まなくて、案外、ひと苦労です。

 

丸手押えのセットは、腕ミシン用で4パーツとなると、決して安いとは言えないので、自分に必要かどうかで判断してみてください!

 

 

●革の端にテープ付けをする

→「バインダー押え」(ラッパ)

⇒先にテープを革に接着などで固定すれば、この押えは不要です。

※確か、バインダー押えがそもそも付けられないミシン(特に腕ミシン)の機種もあると思います。

※バインダー押えなど、ラッパ型(トランペットのような形)の押えは、「20㎜幅のテープ用」など、使えるテープの幅が厳密に決まっている場合が殆どです。

 

 

ここまで、押えについて、思うところを書いてみました。

押えは何かと情報量が多いので、また何か思い出したら、追記していきます。