今回の記事では、芯材を貼る目的について、少し書いてみたいと思います。
芯材を使用する主な目的としては、
・革の伸び止め
・革にハリを出す(多くは、革が薄い、柔らかい場合)
・革の補強
などがあります。
前回、レザークラフトでよく使われる芯材の種類について書きましたが、
芯材ごとにその特徴を追って考えるのではなく、「目的」の視点から考えてみたいと思います。
leatherworksthalia.hatenablog.com

【まず、概要、結論として】
伸び止め、ハリを出す、補強、どれにおいても、だいたい、次の順で効果が強くなるのかなぁ、と思っています。
不織布芯 < スライサー < バイリーン < ベルト芯 / 紙系(ボンテックスなど)
「それなら、一番効果のある、べルト芯かボンテックスを買っておけば良いんじゃない?」って思いますよね。
それが、少し簡単にいかない時があるので、その点を見ていきたいと思います。
芯材は、使う対象となる革の種類や硬さなどによって、仕上りは大きく変わりますので、これ以降の記載は、あくまで自分の個人的な感想です。
【芯材効果:革の伸び止めをしたい】
革は伸びる性質があるため、伸び止めをしないで作ると、使っているうちに、段々と伸びて、最終的には、かなり変形してしまいます。
そこで、芯材が必要になるわけですが、芯材はどの種類も、伸び止めの効果はあると思います。ただ、伸び止め効果の強弱はあると思います。
前回も書きましたが、芯材自体は、伸びるものもあります。
紙系の芯材は殆ど伸びませんが、不織布芯、スライサー、バイリーンなどは手で引っ張れば伸びます。
ですので、芯材自体が伸びないのではなく、革に貼ることで、革が伸びにくくなる、ということになろうかと思います。
不織布芯は、伸び止めや補強にはなりますが、効果としては最も弱めかな、と思います。
「では、わざわざ、なぜ不織布芯を使うの?」
という疑問が沸くと思いますが、薄い不織布芯だと0.2mmくらいの厚さのものがあるので、非常に薄さを求められる箇所に使う、と考えると良いのかなぁ、と思います。
スライサー、バイリーン、ボンテックスなどは、最薄でも0.35mm厚くらいはあると思うので、厚さの選択肢として不織布芯、という感じです(自分の場合は)。
また、「薄さ」という理由では、チケン紙を使う場合もあると思います。チケン紙のほうが紙系で伸びないので、より伸び止めの効果が欲しい場合は、紙系の芯材を選択する形になります。
芯材自体が伸びない紙系のものは、伸び止めの効果は強いと思います。
自分の体感的には、紙系の芯材以外で、最も伸び止めに効果的な芯材は、ベルト芯の種類ですが、厚さの種類が少ないように思います。
【芯材の効果:革にハリを出す】
自分の場合、「ハリを出す効果」での芯材の選択は、単に伸び止め効果を求める場合よりも、少し難しいです。
理由は、作品によって求められる質感が異なるためです。
例えば、
・硬い感じにしたい
(ハードなヌメ革を使った作品の場合など)
・柔らかさは残したいけど、置いたときに作品を自立させたい
(特にバッグ、ポーチなど)
・かなり柔らかい感じは残したいけど、革だけだと使っているうちに皺だらけになりそうなので、芯材を貼っておきたい
(袋物など)
というように、求める質感は、作品によって色々と異なります。
どの芯材を使うべきか迷ったときの考え方ですが、あくまでも自分の場合ですが、
まず紙系の芯材を選ぶかどうかを決めてから、最終的にどの芯材にするか決めています。
理由は、紙系の芯材には、
・芯材自体が「折れる」性質を持っている
・紙ゆえに、革に硬い質感が出る
という特徴があるので、この点を踏まえて、考えて決めるようにしています。
【芯材の効果:革の補強】
革は布よりも厚みがあるため、一見、丈夫なように思えます。でも、革も経年変化や、使っている時の力の負荷で、破れたり、ちぎれたりすることがあります。
特に、根革(バッグ本体側のショルダーストラップを付ける所)、ベルトのベルト通しに当たる所(特に背中側)、金具類の付いている所、バッグの底のコーナーの所、などです。
できるだけ強度の強い芯材を使いたい箇所ではありますが、芯材を広く貼るのか、ポイント部分だけ少し貼るのか、芯材の厚みを考慮すべきか、など、それぞれ状況が異なりますので、芯材を使い分けています。
【どの芯材を選ぶ?】
<求める質感によって>
これは自分にとってとても難しいテーマでして、芯材の選定だけで数週間も悩むこともあります。
作品によっては、革自体に伸び止めをしたり、ハリを出したりは行いたいのだけれども、あまりにも芯材によって革が伸びなくなったり、ガチガチに硬い感じになってしまったら嫌だな、という場合もあります。
例えば、バッグを作っているとして、このバッグの底はガチガチに硬くても良いが、バッグの胴の下側部分は、底から上方向に丸みを帯びて柔らかく曲がってほしい、そんな時、ありますよね。
そこにボンテックスを使うと紙系で硬い質感になってしまうし、ともすれば折れてしまうかも知れない。ベルト芯だと一応は曲がるけれど、「柔らかく」曲がる質感にはなりにくい。
そういうときに、バイリーンを使うとどうかな?スライサーを使うとどうかな?と考えていくのかなぁ、と思います。
<厚みの問題>
他の記事でも何度か書きましたが、レザークラフトでは、製作工程において、「素材の合計の厚み」が、作り手にとって問題になりがちです。
まず、革が厚いと、
・縫えない。
・見栄えが悪い。
・重い。
このように、あんまり良いことが無いのです。
できるだけ薄くしますが、、でも、薄ければ良いわけではないので、実用性に適した薄さ、を考えます。
芯材を貼ればもっと合計の厚みが増しますので、作り手からすると、芯材はなるべく薄いものを使いたいわけですね。
よく「表にひびく」という言い方がありますが、まさに、芯材によって、作品の見た目や質感が非常に変わることがあります。
芯材の選定には、日々、悩んでいます。
別の記事で、また芯材について触れたいと思っています。

関連記事
leatherworksthalia.hatenablog.com
leatherworksthalia.hatenablog.com