レザークラフト研究

革の小物から鞄まで。

レザークラフトの手縫いー縫いかたの種類がわかったところで、どう使い分ける?

引き続き、縫いかたの記事の4回目です。

今回の記事では、縫いかたの使い分け、について書いてみたいと思います。

 

とりあえず、前回までの記事では、

縫いかたにいろいろな種類があることを書いたうえで ↓ 

leatherworksthalia.hatenablog.com

 

良く使われると思われる縫いかたを2種類(A-1、B-1)、掲載しました。 ↓ 

※A-1、B-1というのは、縫いかたを区別する目的で、便宜上、個人的に付けた記号です。

上記の「縫いかた実験」の記事を読んでいただけると、記号の意味が分かっていただけると思います。

 

B-1 は両面の縫い目が斜めに見える縫いかたです。 ↓

leatherworksthalia.hatenablog.com

 

A-1の縫いかたは、縫い目の見えかたが、表側が斜め、裏側が真っすぐです。 ↓

leatherworksthalia.hatenablog.com

 

※たくさん縫いかたの解説を載せても、縫い慣れていない人にとっては混乱の原因になると思いますので(笑)、とりあえず2種類の説明で終えておきたいと思います。

 

 

ということで、

特にこれからレザークラフトをはじめようかなという場合には、こんな疑問を持たれるかも知れません。

 

「縫いかたに種類があることはわかったけど、自分の好きな縫いかたを選べば良いの?」

「1種類の縫いかたを知っていれば、充分?」

 

→ そうです、好きな縫いかたを1種類知っていれば、基本的には、充分です(笑)

 

そして、比較的、「表側も裏側も縫い目が斜めに見える縫いかた(B-1の縫いかた)」が、人気があるのかも知れませんね。

 

これは「進行方向が右→左、先に裏側から針を挿す縫いかた」になります。

 

一方で、A-1のような「先に表側から針を挿す縫いかた」も知っていると、少し便利な時があります。

 

今回は、そのことについて、書いてみたいと思います。

 

 

【先に表側から針を挿すか、先に裏側から針を挿すか】

 

このタイトルは、つまり、

「A-1のような縫いかたか、B-1の縫いかたか」

ということになるのですが、

 

A-1のような「先に表側から針を挿す縫いかた」も知っていると、便利な時があります。

 

それは、次のような場合などです。

・表側が革、裏側が布(裏地、内布)、の状態で、一緒に縫うとき

・裏側の見通しが悪い箇所を縫うとき

 

わかりやすい例だと、バッグやポーチに内布を付けるとき、などです。

 

革の場合は、ご存じのとおり、革に目打ちという工具で穴を開けておいてから、手縫いを行います。

 

では、布の場合はどうしましょう?

 

通常、洋裁では、予め縫い穴を開けてから縫うことは行いませんが、レザークラフトにおいても、布を縫う場合は、洋裁と同じく、予め目打ちで穴を開けることは行いません。

もし、布に目打ちで縫い穴を開けてしまうと、切れ目を細かく入れてしまう状態になるため、切れ目の周辺の糸がほつれてしまい、最終的には、破れやすくなってしまいます。

 

そうなると、革と布を一緒に縫う場合、

・表側:革=縫い穴が開いている

・裏側:布=縫い穴が開いていない

という状態になります。

 

すなわち、

・表側:縫い穴の「位置がわかる」

・裏側:縫い穴の「位置がわからない」

となります。

 

次の写真は、革と布を一緒に縫い終えたバッグの一部分で、それを、布側から見た写真です。

 

この写真は、既に縫い終えた状態なので、針を挿す位置(例えば、赤丸の位置)が認識できますが、

縫う前のタイミングでは、布が覆いかぶさっているだけなので、どこに針を挿すべきか、布側からは、全くわからない状態です。

 

そして、このような時、

A-1の縫いかたのような「先に表側から針を挿す縫いかた」で縫うと、針を挿す位置が確定しやすいので便利、というわけです。

 

 

また、革と革を合わせて縫うときで、縫い穴が既に貫通させてあるときでも、稀に、裏側を裏返して見ることができないような狭い箇所を縫うときがあります。

 

そんな時、「先に裏側から針を挿す縫いかた」で縫おうとすると、裏側を見ることができないため、針を挿すべき位置を手さぐりで探すことになりますが、この作業が、想像よりはるかに大変だったりします。

 

「表側から見ているときは、穴の位置が簡単に確認できるのになぁ・・・」

そう感じるような箇所のことですね。

 

このような場合に、裏側から「なんとなく、この辺りかな?」という位置に針を挿して縫い進めると、縫うという作業は終了しますが、縫い目のピッチ(間隔)がガタガタに違ってしまい、裏側の見た目が、意外と汚い感じになってしまいます。

 

そんなときは、素直に「先に表側から針を挿す縫いかた」で縫ったほうが、早く綺麗に仕上げることができます。

 

 

この記事では、「先に表側から針を挿す縫いかた」として、『A-1の縫いかた(進行方向が右→左)のような』と書きましたが、

「先に表側から針を挿す縫いかた」には、他に「進行方向が左→右」の種類も存在します。

特にA-1の縫いかたに固執せず、縫いかたの種類は、好みで覚えていけば良いと思います。

ただ、表側、裏側、共に、縫い目が斜めに見える縫いかたは、B-1の縫いかたのみなので、基本の縫いかたとしてB-1の縫いかたを覚えたい場合は、オプションの縫いかたとしてA-1の縫いかたを覚えるのが、進行方向(右→左)が同じなので、感覚的には良いかも知れません。

 

今回の記事では、手縫いに関する、少しTIPS的な要素の内容を書いてみました。

 

 

針に糸を通す方法はこちら ↓

leatherworksthalia.hatenablog.com

 

縫い穴を開ける方法はこちら ↓

leatherworksthalia.hatenablog.com

 

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