レザークラフトの薬剤(オイルや仕上剤など)は、色々なメーカーから色々な商品が販売されていて、
・出来上がった自分の作品に、仕上剤は何を塗れば良いのかな?
・薬剤はどういう順番で塗るのかな?
いろいろ悩みますね。
いや、そもそも、
「仕上剤って何?仕上剤を塗らないといけないの?」
と思っている場合もあるかも知れません(笑)。
商品カタログだと、初めての人には、説明が不充分な商品も多いですよね(笑)。
はじめから染色されて販売されている革には、オイルや仕上剤を塗る必要はありません。
染色や着色されている革は、表面に染色・着色・(鞣しの)仕上げの塗膜があります。この上にオイルやラッカーなどを塗ると、この塗膜の上にさらに薬剤を塗ることになり、塗ったものが弾かれて吸収されません。
吸収はされませんが、塗った薬剤を完全に除去できないと、表面がベタベタになったり、薬剤のシミが残ったりします。
素上げのヌメ革の場合は、表面の防汚、保護、艶出しなどの理由で、仕上剤を塗ることをお勧します。
【薬剤を塗る順番】
基本は、オイル → レザーコートやラッカー、の順でOKだと思います。
ヌメ革に、カービングを施さずに、仕立てだけを行うような場合は、レザーコートなど、何らかの保護剤を1種類、革の吟面に塗れば、充分かと思います。心配ならば、一度塗って良く乾かしてから、二度塗りすると良いと思います。
オイルを入れるかどうかは、好みですが、革が乾いている感じの場合は、入れておいてあげると、より長期間、しなやかさが持続すると思います。
注意点は、レザーコートなど保護剤の後にオイルを塗ると、既に塗膜ができてしまっているためオイルが浸透しません。先に塗るのが良いです。
【オイル】※柔軟性を与える。
「ニートフット・オイル」(フィービング社)(クラフト社)
など。

カービングした革の場合は、革に水を入れて彫る、を繰り返すうちに、革の油分が抜けきっていることがありますので、保湿のためにオイルは必ず入れたほうが良いと思います。
オイルを塗った後、完全に乾かしたほうが良いです。
オイルはさほど種類は無いようなので、どのメーカでも良いので、革用の「ニート・フット・オイル」と書いてあるものを1つ買っておけば良いと思います。
【仕上剤】※防汚、保護の目的の場合。
仕上剤はメーカーによって色々な種類が売られているのですが、主に下記のようなものがあります。
「レザーコート」(クラフト社)
*マット、グロス、など、仕上りの艶感が異なる種類があります。
*「レザーコート マット」は、かなりヌメ革そのものの質感に近い仕上りになります。
*「レザーコート(レギュラー)」は、嫌みの無い程度ですが、光沢が出ます。乾かないうちに触ると指紋が残りますので、良く乾いてから次の工程を行うと良いです。
*完全に乾くと、ほぼ元のヌメ革の色になります。
「レザーフィックス」(協進エル社)
*少ししっとり感が出ます。
*光沢は「レザーコート(レギュラー)」ほどは出ないように思います。
*完全に乾いた後、ヌメ革の色がほんの少し濃くなるかも?!
「オイルワックス」(協進エル社)
*アンティック染料の拭き取りにも使えます。
*オイルが入っていて、独特のしっとりした手触りになります。
*完全に乾けば、ヌメ革の色はさほど濃くならないように思います。
「水性ラッカー」(協進エル社)
*水性なので匂いが殆どありません。
*溶剤系のラッカーのようなギラギラした光沢はありません。
「レザーラッカー」(クラフト社)水性ではないラッカー
「レザーラッカー」(協進エル社)水性ではないラッカー
*”とろみ”のある薬剤です。
*水性ではないラッカーは、濃度が高まってきたら、専用のシンナーで薄めます。
*使用時には溶剤のシンナー独特の匂いがありますので、換気が必要です。
*ラッカー特有の光沢があります。
「レザースプレー」(クラフト社)スプレータイプのラッカー
「シアゲ―ル」(協進エル社)スプレータイプのラッカー
*スプレーの吹き付け過ぎに注意です。
*自分は、スプレータイプは必要な時しか使用しないのですが、溶剤系ラッカーのスプレータイプ、ということで、上記の「レザーラッカー」とほぼ同じものがスプレーで出てくる、と思えば良いと思います。
※ラッカーの下塗り剤について
仕上げにラッカーを使う場合は、ラッカーだけ塗っても一応OKですが、バインダーという、下地材を塗ってからラッカーを塗ると、ラッカーが革から剥がれにくくなり、ラッカーの塗膜のヒビ割れを防ぐ、とのことです。
自分の場合は、水性以外のラッカーは匂いがあるため、特にエアコンを使う季節には殆ど使わないので、バインダーの有無によってどのくらい差が出るのか、実際に試したことが無いのですが、ラッカー自体は性質上、ひび割れが生じることがあるようなので、下地は塗っておいたほうが、作品が長持ちするかもしれません。
とはいえ、下地を塗らずにラッカーだけを塗ったこともたびたびありますが、10年以上経っていても、ひび割れてきたことはまだ無いです。
ひび割れは、作品の保管状態に依存すると思います。
その他の薬剤
・ウレタンを含んだ仕上剤・・・かなりテカテカに輝きますのでご注意(笑)。
・ミンクオイル、マスタングペースト、ラナパー、など・・・※保革油。
かなり油分が失われて乾いた感じになっている革に有効です。
まだそれほど油分が失われていない革の場合は、ほんの少量にしておくのが無難です。付け過ぎると、ベタベタになります。
二-トフットオイルは革に浸透していく感じなのに対して、これらの薬剤は、浸透はしながらも、表面に少し塗膜が残る感じがあります。
【仕上剤】※色止めが目的の場合。
「色止め」は、染色したときに、洋服などに色がうつらないようにするために、仕上剤を塗布することですが、ヌメ革に、クラフト染料や、カービング後のアンティック染料を塗った場合、などの状況が多いと思います。
例えば自分の場合は、1枚の革に、カービング部分と、カービングしていない部分とがある場合、カービングしていない部分にも染色するかどうか?によって、異なる仕上剤を使ったりしています。
仕上剤によっては、「色止めもできます」と記載があっても、塗って乾いてから端布(ウエス)で乾拭きしてみると、染料がかなり落ちてくる場合もあります。アンティック染料はよく色止めできているが、革用染料はあまり色止めできていない、などの場合があるのですね。
メーカーによって、色止め自体の効果、手触り、光沢、見た目のしっとり感、など、仕上がり感に違いがあるので、小さな瓶で色々な種類を買って試してみて、好みの仕上剤を選ぶと良いと思います。
個人的な意見として、仕上剤の色止めの効果は、革用染料、アンティック染料とのメーカーや種類の相性もあるようです。
以上、今回は、オイルと仕上剤について書いてみました。
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